グッド・バッド・ウィアード



1930年代の満州を舞台に、「いい奴」の賞金稼ぎ(チョン・ウソン)、「悪い奴」のギャングのボス(イ・ビョンホン)、「へんな奴」の泥棒(ソン・ガンホ)が宝の地図をめぐって争う韓流ウエスタン。


冒頭、仕事の依頼を受けたイ・ビョンホンが、差し出された乗車券にナイフで切りつけ「こんなものはいらない、自分で止める」と言うのに心が躍った。


1対1対1の話だと思ってたのが、イ・ビョンホンに大勢の手下、ガンホには相棒がいるのに拍子抜けした。とにかく登場人物が多くて、「悲しき願い」に乗せての追跡劇は、グッド&バッド&ウィアード、よく分からない人達、更には日本軍が入り乱れて、ウエスタン版キャノンボールといった感じ。
死んでいく人の数も相当なもの。作中最初に「無抵抗の人を大勢殺す」のがガンホだというのが、ちょっと面白い。


せっかく複数の男が出ていても、絡みがなければ面白さは半減だ。対面すればいいってもんじゃない、互いに「意識」してる感じが欲しい。それが足りないんだよな〜と思っていたら、唐突に「ヤツ」の名前をつぶやくシーンがあって笑ってしまった。最後にその理由である因縁が明かされるんだけど、取ってつけたようで全然ロマンや色気がない。
そのつまらなさを偶然救っているのがイ・ビョンホンの浮きっぷりで、他の二人とは…というより見渡す限りの人間とはセンスも違えば話も通じず(ガンホは「話の通じない『やつら』だな〜」とあきれるが)、一人プレイのあげく、「合わないならオレに合わせろ!」と強引に割り込んでくる。あんなに(「悪い」というより)「異常」な奴なら、絡みがなくてもしょうがない、と思わせられる。かっこいいお坊ちゃんが、普通の遊びをしているクラスメイトの中に入りたいんだけど世界が違いぎくしゃくしてしまう、という雰囲気が醸し出されており可笑しい。



予告編にある、イ・ビョンホンが纏っているものを脱ぎ捨てる場面は、ストーリーに全く関係ないサービスシーンだった(笑)
チョン・ウソンはさり気なくガタイがいい。寝転がってガンホを狙うときのお尻に見とれた。ロープにぶらさがっての、また馬上からの射撃シーンもかっこいい。
ソン・ガンホは演技でも食べ方が汚すぎ(笑)跳び蹴りの後、自分も倒れるのが良かった。