古今亭志ん朝トリビュート 三遊亭白鳥独演会


三遊亭白鳥(紙芝居&写真)
三遊亭白鳥「品川心中」
 (中入)
三遊亭白鳥「夢金」


「東横落語会・古今亭志ん朝」発売によせて(白鳥さんは付属書籍のインタビューに答えている)。まずは志ん朝師匠についてトーク。「ステテコ」の話など。小さな会場で「ホーム」状態ということもあり、向こうもこっちもリラックスしてて楽しかった。でも「白髪男性たちが続々と立ち上がり帰って行った」という円生の会も観たかったな(笑)


最初に「おまけ」の紙芝居「オオサンショウウオの恩返し」と写真「浅草東洋館」。後者は以前親子会で聴いた「悲しみの東洋館」の実写版という感じ。
ネタ出ししていた「品川心中」は「『その後』を作ってみました」とのことで、仕返し部分をふくらませたもの。金蔵がすっかり白鳥キャラに。正直、なぜこの噺を選んだのかぴんと来なかった。


中入後は「老松」で登場。「ネタ下ろし」とあるので何かなと思っていたら、「実体験に基づいて演れるものがいいと思って…」と始めたのは(金に執着する男が主人公の)「夢金」。「言っとくけど、普通にやるだけですよ」と、志ん朝バージョンをほぼそのまま、約一時間。お侍とのどたばた部分のみ肉付けされている。「創作」と「カバー」を区別しているあたり、やはり「作家」意識が高いんだなと思った。
私としては中入前より「カバー」のこちらのほうが面白かった。もっとも、例えば女将さんが船を押す場面など、志ん朝は詠うように語ってくれるのに対し、白鳥さんは「説明」しちゃうから、全然きれいじゃない。でもそれが「自分の言葉」なんだろう。そもそも今じゃあ、志ん朝の聴いても意味が通じにくい箇所もあるし。