円丈独演会

林家きよひこ「うちの村」
三遊亭円丈「金さん銀さん」
円丈に質問のコーナー
三遊亭ふう丈「コンタクト(すみません、タイトル分からず勝手につけました)」
三遊亭円丈「横松和平」
 (中入)
のだゆき(音楽漫談)
三遊亭円丈「グリコ少年」
 (10/19・お江戸日本橋亭

恒例の「落語ぬう」、有名三席をネタ出しで。

「金さん銀さんを知っている人が少なくなったのでこのネタは期限切れかな」「地方の方言というものにも馴染みがなくなってきたしね」といつもながら否定的に本編に入るも(勿論ファンはそれが楽しいんだけども)、この「金さん銀さん」は実際の二人のキャラクターとかけ離れたものだし円丈の「名古屋のおばあさん」喋りはそれに馴染みがあろうとなかろうと楽しめる類のものだしで、全然普遍的な噺である(と本人だって分かって選んでいるのだろう)。

夫婦漫才は皆仲がよかった、春日三球さん(いつも思うんだけど照代の方は言わない、そういうものなのか)のことは本当に好きだった、との馴染みの枕を経て「横松和平」に入った瞬間(「わたしたちって売れなかったわよねー」、この一言が本当に円丈なんだな)、今回の三席って何てバランスがいいことだろうと思う。しかもこの噺を入れるなら真ん中に決まっている。

「競走馬イッソー」に志ん朝が祝儀をくれたという話は何度も聞いたものだけど、「グリコ少年」について馬生が…という話は初めて聞いた。「横松和平」の貧困ネタは皆が貧困層になってしまった今、もう使えないものに思われたけれど、「グリコ少年」の駄菓子屋ネタは非常にタイムリーに思われた。こまかなところが又しても色々変更されており楽しかったけれど、何せトリの持ち時間が二十分しかなかったので実に中途半端なところでサゲて幕して終わり(笑)実にゆるやかな会だった。