神楽坂「海」落語会


柳家三三「看板のピン」
柳家三三「青菜」


三三は寄席やホールで「出演者の一人」として観たことしかなく、独演会のような形は初めて。何となく気張った印象があったけど、アットホームな場のためかすごく自然で柔らかく、私としては聴きやすくて良かった。


まずは神楽坂という場所から志ん朝のエピソードなど。自宅で飲み会の折でも夜中にそっと抜け、一人で飲みながら練習してたとか(「お酒が入ったら落語は演らないお父さんとは違う」笑)。続く「看板のピン」で羽織を脱ぐ際の、リズムと所作のきれいなこと。
次のマクラは「涼しさは五感でも感じられる」という話。浴衣を着る際のアドバイスとして「自分が涼しくなろうとは思わず、見る人の目に涼しさを与えるサービス業だと思って」というのは、汗かきの私にとっては頷けるばかり(笑)
「青菜」はしょっちゅう聴く噺だけど、三三のは描写がこまかい。でも無駄な部分がなく、とても面白かった。旦那夫婦のやりとりは一瞬で、さっと終わるのが粋。奥さんの声が渋いのも新鮮だったけど、考えたら旦那も結構な年なんだから、こっちのほうが自然だ。それから「柳陰」が銘柄じゃなく作り方だったなんて!お酒好きな同居人でも知らなかった。なんで今まで誰も説明してくれなかったんだって感じ(笑)