告白




「私の娘が死にました…このクラスの生徒に殺されたのです」


冒頭、松たか子が生徒たちの前で長々と話すシーンは、教員(らしき経験がある者←私)ならいたたまれなくなること必至。しかし、映画はその後、関係者数人の「告白」で進んでいくが、松たか子がどんな教員だったか、生徒たちがどんな生徒だったか、ほとんど描かれないので、気楽に観られた。


私は「学校」を端的に表すものとは「喧騒と静寂とのギャップ」だと思っている(学校を舞台にした映画で、これが表されてるものは大体楽しい)。この映画の、上記の「第一の告白」シーンでも、大騒ぎと静けさとが繰り返されるけど、ここでの「静寂」とは、織り込まれる他のシーンだ。へんな言い方だけど、そこのところに、すごく人工的な感じを受けた。


関係者のうちの一人、ある女生徒は松たか子演じる先生に「手紙」を書き続ける。彼女は先生をどう思ってたんだろう?なぜ「手紙」を書くんだろう?と思いながら観た。
話は突然変わるけど、かつて漫画家の岡田あーみんが、自身の作品が文庫化された際のあとがきに「めちゃくちゃな話でも、主人公の女の子だけはまともにしてしまう」というようなことを書いており、印象的だった。この映画も終わってみれば、あの女生徒はそうした「女主人公」だったんだなと思った。