最近観たもの


土曜日、またハナがぐずぐずしだした。「パイレーツ・ロック」か「アンヴィル」を観たかったけど、劇場で寝ちゃったら意味ないから、うちでDVDなど観て過ごす。


▼燃えつきた納屋



74年作。雪深い農村で殺人事件が起きる。(夫からすれば)「気高く力強く、他の人にもそうあってほしいと願っている、特別な女性」…シモーヌ・シニョレ演じる農場の女主人が、アラン・ドロン演じる判事から、嫌疑を受けた家族を守ろうとする。


ベッドの中でこういう、寒々とした土地が舞台の映画を観るのっていい。オープニング、こちらにのろのろ向かってくる除雪車が印象的。
ミステリーではなく、家族、人間関係についての物語。「何が欲しいか分かっている」人間と、そうでない人間との違い。
主役の二人とも、エキセントリックでない、普通の人間であるところが面白い。アラン・ドロンって、単独では魅力を感じないけど、誰かと一緒だといい。シモーヌ・シニョレは好きな女優。私自身は人がよく見られるから、ああいう、なめられなさそうな顔って憧れる。



「時折彼女について考えるんだ、ほかの場所で生活してるところなんかを…」
 (地元刑事がシニョレについて語る。セリフの抜き書きじゃ表現できないけど、ロマンチックな場面だなと思った)


▼40男のバージンロード



結婚を控え、花婿介添人「べストマン」を頼める相手がいないことに気付いたピーター(ポール・ラッド)は、親友探しに奔走。ある日出会った、自分と正反対の男・シドニージェイソン・シーゲル)との付き合いを深めていく。
ジャケ裏のストーリーを目にして、これがベン&オーウェンなら夢の映画だな〜と思ったものだけど、二人の普通っぽい容姿と演技、こてこてのコメディじゃない、自然なストーリーが良かった。


私自身同性の友達は少ないし、同じような男性が好みなので(男については多分、そのほうがセクシーな感じがするから)、どんな話だろう?と思ったら、このピーターの場合、フロートにチョコクッキーを添えて持ってきてくれるような、「ママが友達」というような男で、周囲にマッチョな男が多いこともあって、友達がいない…というもの。他にも原因はあるかもしれないけど、周囲の「友達がいる」男たちにも色々問題はあるから、結局、主流のタイプか否かってことだ。
よくあるコメディなら、恋人に隠れて「友達探し」をして彼女の疑惑を呼ぶ…という展開になるものだけど、愛らしいピーターは、「君のために友達を作らなきゃ」とちゃんと宣言する。そういうところも良かった。


結婚式の打ち合わせにおいて、○○(女友達)に彼氏ができなかったら、席はどうしよう…というような会話があり、カップル文化も大変だなあと思った。一人でも二人でも、どこでも出られるのがいいけど、そうもいかないのかな。