お買いもの中毒な私!


プラダを着た悪魔」の5倍くらいは面白かった(まだこだわってるのかって話だけど、あのつまらなさにはガッカリしたから、いまだに比べてしまう…笑)



冒頭に描かれる、主人公が「お買いもの中毒になった理由」が印象的だ。幼い頃、周囲は可愛いものを身に着けているのに、自分は母親の選んだ「安くて長く使える」ものをあてがわれていたから。結局人間って、子どもの頃に心に空いた穴を埋め続けて生きるんだなあと思った。もっとも自身の嗜好が両親(環境)に合ってれば、よそと比べてどうであれ「穴」にはならないだろうから、彼女は生まれながらにしてああいう性分でもあるんだろう。
(でもこのシーン、他のキラキラした女の子たちが自分を蔑むあたりなど、彼女の妄想とも受け取れる…)
「安くて丈夫なもの」を選んできた両親(ジョン・グッドマンジョーン・キューザック)は、年をとると考えを変え、貯金をはたいて「宝物」を購入してしまう。娘の危機を知った父親はそれを売ろうと言い出すが、主人公は「だって夢だったんでしょ?」と反対する。このシーンはいいなと思った。


最近「予告編で観たシーンが本編にない」ことがたまにあるけど、この映画も、印象的だったシーンがカットされていた。その他にも例えば、編集長と脚長さんはなぜ一緒にパーティに行くことになったのか?編集長の写真立てはあのままなの?など、気になることが幾つかそのままで終わってしまった。


「王子様」役のヒュー・ダンシーは、プラダのタキシードに着替えても、普段とものすごくかけ離れてるわけじゃない。「オーストラリア」のヒュー・ジャックマン(の、少女漫画の生きた見本のような変身ぶり!)なんかにはそりゃあ、かなうわけないけど、もうちょっと夢があってもいいかなと思った(笑)


とりわけセラピーの場面では、こういうコメディでなく、シリアスな「お買いもの中毒」の映画があったら面白いだろうなあ、とずっと考えていた。