恋とニュースのつくり方



公開二日目、新宿ピカデリーにて観賞。
とても楽しかった。主人公が「今の居場所」を見つける話が、コンパクトにまとまってる。


地元のテレビ局をクビになったベッキーレイチェル・マクアダムス)は、ニューヨークの局で朝の番組のプロデューサーとして採用される。低視聴率を打破するため、メインキャスターとして「伝説のキャスター」マイク(ハリソン・フォード)を引っ張ってくるが、報道にこだわる彼は「軽い」番組作りに協力しない。


冒頭は地元で働くベッキーの様子。「朝」専門の彼女は目覚ましを1時30分にセット、打ち合わせ開始が「5時」じゃ遅すぎる。実際の所は知らないけど、一日の始まりを担うってことで、番組そのものだけじゃなく職場にも独特の雰囲気がある。


異動先での担当は低視聴率のお荷物番組。それでも現場の皆はプロ、「ドキュメンタリーじゃない?」と思ってしまうほど「リアル」に仕事をこなすシーンが挿入される。
ベッキーのテコ入れは爽快に描かれ、観ていて楽しい気持ちになるが、それはマイクとの理解につながるものではないし、先も見えている。しかし作中では放送倫理の類より、仲間や場といったものに重きが置かれている。「砂糖か繊維か」(ジャンクフードか、体に必要なものか)という問題は、「砂糖も繊維も!」が思いがけず実現することであっさり解決する。
例えば学校においては、教員同士の仲が良く協力体制にあることは、子どもにフィードバックされるから、とても重要だ。そんなことを思いながら観ていた。


ベッキーの恋のお相手はパトリック・ウィルソン演じる別の部署の男。周囲の言葉を借りれば「ホット」なお坊ちゃん、ただそれだけの存在だ。二人の関係は物語のメインではない。
主人公にとって重要な領域で深く関わった相手と愛し合うわけじゃなく…つまり主人公がセックスするのになんだかんだ理由をつけるわけじゃなく、セックスはセックス。そこがいい。考えたら製作陣のかぶってる「プラダを着た悪魔」にもそういう部分があった。


「お局キャスター」役のダイアン・キートンは「恋愛適齢期」同様、最後に尻を触られるようになってめでたしめでたし。お尻といえばレイチェル・マクアダムスはやたらパンツ姿を披露、どれも可愛い。「着たきり」っぽいキャラなのに、結構可愛いのを着けてた。