ザ・ムーン


月面着陸40周年を記念して制作された、「アポロ計画」に関するドキュメンタリー。とても面白かった。



アポロ11号の初の月面着陸を中心とした、宇宙とアメリカの…作中しきにり「我々人類の」という言葉が使われるけど…お話。冒頭ザ・バーズの「Mr.spaceman」が流れ、のんきな雰囲気で始まり、そのままポシティブに進んでいく。
映像のうち「宇宙」ぽいものは半分ほどで、残りは今や爺さんとなった10人の宇宙飛行士が語る顔のどアップ(鼻毛に目が行かざるを得ない人が内一人)、当時の彼等の映像、本番時のコントロールセンターの様子など。私は区別が付かなかったけど、NASAが冷却保管していたものもあるそう。合間にニュースや娯楽番組、打ち上げ現場に見物に来る人々など、当時の雰囲気がより伝わってくるものも挟みこまれており楽しい。日本もワンシーン登場する。
ロケット製作時の木の模型みたいのには笑った。ああいうのから出来ちゃうんだ…。プリン?みたいな宇宙食は「味はともかく」って、アメリカ人が言うんだからよっぽど不味かったに違いない(笑)宇宙では電気カミソリ使えないのかな?(同行者の疑問だけど)上画像の、よく見る白黒半分のアタマは何だろう?


何十年という時を経たからこそカタチになったかもしれない、宇宙飛行士たちが語る当時の心持ちも面白い。「打ち上げの場所に着いたら、いつもは整備のためにアリのように人がうじゃうじゃいるのに、誰もおらず不安になった」「月から戻る道中、窓の外を見て、真の自己を発見し、悟りを開いた」…などなど。映像と一緒だと、すんなり心に入ってくる。
アメリカ人が10人いれば2人か3人か…あるいはもっと多くは、自然とジョークを口にする性質だけど(「アメリカ人は二人の間でも秘密が守れないのに…」には笑ってしまった)、それもいい雰囲気を生んでいる。


宇宙飛行士のうち数名が「自分はラッキーだった」というようなことを口にしていたけど、「月面着陸」に関わる人々を円にしたとすれば、望むと望まないと、彼等はまさにそのど真ん中。円の外周がかするかかすらないかあたりにいる人だってたくさんいただろう。そういう人たちの話も聞いてみたいなと思った。


劇場内には親子連れも数組見られたけど、子どもたちはどういう感想を抱いただろう?単純に、日本はなぜ月に行かないの?と思うかもしれないな。