別れの時 ホームタウン・イン・ジョージア


別れの時 ホームタウン・イン・ジョージア [DVD]

別れの時 ホームタウン・イン・ジョージア [DVD]


87年アメリカ作のテレビムービーで、日本盤DVDは今年5月に発売。
舞台はジョージア州の美しい山の中。老婦人アニー(ジェシカ・タンディ)は、5年前に夫(ヒューム・クローニン)を亡くしてから独り暮らし。息子(ジョン・デンバー…歌手の役で唄うシーン多し)が同居を勧めても頑として聞き入れない。そんなある日、不動産会社が土地を買いたいとの話を持ちかけてくる。



ジェシカ・タンディ&ヒューム・クローニンの実夫婦出演作といえば、「ニューヨーク東8番街の奇跡」が大好き。「屋上」といってまず思い出す映画でもある。
ふと思ったんだけど、(「ニューヨーク〜」のように)主人公が「立ち退き」を迫られており、そのことがストーリーの大きな要因となっている映画にはどういうのがあるだろう?最近なら「僕らのミライへ逆回転」「RENT」。有名なものでは「街の灯」なんかもそうかな?やっぱり人情ものになるのかな。


この映画は、生死や親子の問題が大仰に描かれるわけでも「田舎のすてきな暮し」が出てくるわけでもないけど、しみじみ面白かった。あっさりしていながら、二人それぞれの仕草にぐっとくるラストもよい。


半分ほどを占める回想シーンに出てくるのは、ジェシカ・タンディ始め本人たち。若造りはせず、そのままの姿格好で、数十年前から数年前までを演じている。
他の映画にはあまりないやり方だけど、見ていて楽しいし、却って自然とも言える。例えば私の夢には、今でも小中学生の頃の同級生が出てくるけど、彼等は当時の姿ではない。かといって指名手配犯の現在を予想したポスターのようでもなく、うまく言えないけど、私にとっての「彼」の概念、のようなもので「彼」だと認識している。だから「誰か」の回想なら、そういうのもありなんだ。


草木の緑と材木の茶色、ジョン・デンバーの金髪…という組み合わせに、子どもの頃観ていた「大草原の小さな家」の映像を思い出した。