WALL・E/ウォーリー


新宿ピカデリーにて公開初日。物販コーナーをチェックしたら、どのグッズより、前売り特典のストラップが可愛かった。買っておいてよかった。もっとも観賞後には、ウォーリーより超キュートなモーのグッズが(無いけど)欲しくなっちゃったけど(笑)



人類が去った地球でひとり働き続けるロボットのもとに、宇宙からイブがやってくる…
これまで観てきた予告編では地球の場面が主で、ウォーリーがイブを追ってロケットにしがみ付くところで終わっていたので、それ以降にあんなに色々あるだなんて思わなかった。前半はボーイ・ミーツ・ガールのラブストーリー、後半は冒険活劇だ。
私は前半のほうが好みだけど、中でも楽しかったのは、ウォーリーが独りで繰り返してる日常生活。クローゼットにネクタイを下げるように、夜にはキャタピラを仕舞って休むなんて可愛い。棚のコレクションに先割れスプーンを加えるシーンには笑った。
ウォーリーのささやかな住居の描写はもちろん、「彼」が続けてきた仕事の成果を一瞬で表現するシーンも素晴らしい。「彼」がその作業を始める描写があるのも嬉しい。
イブがやってきてからは、「彼女」を自分の部屋に連れてくるシーンが好きだ。「突然だから掃除するヒマはなかったけど…」(とは言わないけど・笑)。ぴかぴか光る電飾、くるくる回る棚から取り出される宝物の数々。そして突然動かなくなった「彼女」を守り、日々仕事を続けるウォーリーの姿には涙がこぼれてしまった。←作中泣いたのはここだけ!


前半のウォーリーとイブは「この星でたった二人」だ(ゴキブリは除いて)。その後の舞台となる艦内には、無数のロボットが存在し、イブと同型の仲間もたくさんいるけど、一度絆ができると、宇宙の中で、相手は唯一無比の存在。何百年ぶりに?あんなにたくさんの仲間、さらには人間を目にしたというのに、「彼」の目には「彼女」しか入らない。不思議に感じつつも、ぐっときた。でも、あの胸のマークがなければ見分けることができたんだろうか?と意地悪くも思った(笑)
人間同士の繋がりは、「運命」でも「気が合うこと」でもなく、「一緒に過ごした時間」によってこそ出来るものかもしれないと思う。それが幻想であっても。それにしても、ウォーリーがイブに惚れたのは、ひとりぼっちのところにぴかぴかの「彼女」がやってきたからだけど、イブがウォーリーに執着するようになったのはなぜだろう?再生された録画で自分に尽くすウォーリーの姿に見入るシーンには、動機付けじゃないの?と思ってしまった(笑)


ウォーリーとイブはロボットなんだから、性という概念無しに観てもいいんだけど、なかなかそうはいかない。まあ男同士には見られるけど(笑)それだって性を付与してることに変わりはない。彼等に(性差を前提とした)名前を付けてしまうように、人間というのはそこから離れられないもんなんだなと思った。
また「ロボット」の「知能」についてはよく知らないけど、考えたらめんどくさいことになるから、例えば「スピードレーサー」が、車の知識がないクリエイターによって作られたからこそ面白いように、原則以上のことに踏み込まず作られてるからロマンチックなのかもしれない、と思った。


その他面白かったのは、艦内のロボット修理室のシーン。想定外の機能を発揮するようになったロボットたちがつながれている様に、「カッコーの巣の上で」などの精神病院を思い出してしまった。でも、日々あんなにゴミを排出してるのに、ロボットをいちいち直してるなんて不思議だ。
(ちなみに同居人は、スター・ウォーズ エピソード4の冒頭に出てくる、R2-D2C-3POが捕まって売られるボロ船?を思い出したと言っていた)
艦内でもゴミ処理をしているのが「ウォーリー」であるというのも面白い。ゴミの固め方が甘いから、大先輩である?ウォーリーは、頑丈なビルを作るためにああして固くするようになったのかな、と思った。
…というように、色々疑問というか、後になって気になることがたくさん出てくる、密度の濃い映画だった。