毎日かあさん



私が読んだサイバラ作品は「ちくろ幼稚園」から「上京ものがたり」あたりまで、それ以降は手にしてない。面白いと思うけど、昔気質の男女観は苦手だし、彼女のような人が目立つことで「女はたくましい」という概念が流通してしまうのは迷惑だと思ってる(笑)


作中サイバラがカモシダさんについて「初めて会った時、同じ匂いを感じた」と言ってたけど、同じ資質が、社会における男女の差によりああいうふうに発露するのかな、なんて思いながら観ていた。またサイバラ母が、いわゆるダメ男の世話をしてしまうことについて「血は争えない」と言ってたけど、それならあの娘はどうなるのかな(笑)


原作のエピソードを次々繰り出してくるかのような前半には、あまり乗れなかった。小泉今日子にツッコミキャラがそぐわない(と私には思える)のが原因。しかし話が動き出す後半から面白くなり、皆の顔もどんどんよくなってきた。
カモシダ役の永瀬正敏がとても良かった。「鉄砲は鉄砲だ!」のシーン、涙がこぼれそうになった。子どもと一緒の場面もどれも素晴らしく、とくに久々に「家」に帰って来た際、二人を呼び寄せてじゃれるシーンなど胸がいっぱいになった。


観終わって、変な言い方だけど、もしもカモシダさんにとって誰かと一緒にいることが必要なら、サイバラが私の代わりにやってくれたんだ、という気持ちになった。