ベンジー



Netflix制作のリメイク版を観賞。


冒頭の「餌付け」シーンが「E.T.」というより今じゃどうしても「シェイプ・オブ・ウォーター」に見えちゃうなと思っていたら…まあ生物同士の触れ合いはよくよくそれに始まるものだけど…程無くそのまま「E.T.」の場面が出てくるので面白かった(ベンジーがクローゼットで「ぬいぐるみ」にまぎれるなど・笑)。オリジナルと異なり、事情は違えど兄妹には「父がいない」し。


43年前のオリジナルでは、「もしも女の子が犬だったら…」と何も考えず絵にしたらそうかもねという白いマルチーズベンジーのいわば伴侶になるが、今回の「彼女」はベンジーよりも大きくて強い。映画の最後に彼女が「自分はgirlだ」と主張する場面を入れざるを得ない(そうしなきゃこの「アップデート」が伝わらないからね!)のが犬映画の悩ましいところではあるけれど(笑)ちなみに彼女がぼろぼろの首輪とリードをつけていることから、おそらく人間に捨てられた(事情がどうあれ彼女にとっては)のであろうことがわかる。ベンジーシリーズの後の方には、もっとストレートにそのことを訴える映画があったっけ。


映画は動物管理局の人間に親兄弟?を連れて行かれたベンジーが車を追いかけるも子犬ゆえどうにもならないという場面に始まる。だから成犬になって力を付けた今、彼は大切な存在を必死に追いかける。犬が人間のために度を越して頑張る姿は見ていてそう気持ちのいいものじゃないから、この理由づけがありがたかった。シリーズ中異色の「名探偵ベンジー」が好きなのも、この作品のみベンジーの「中身」が人間で、頑張る理由もあるからだろう。この映画のラストシーンは私の「子どもの頃に見た、忘れられない映画の最後」ベストワン。下に貼ったオープニングもいいけど。これもリメイクされたらいいのにな、できたら男女逆で(噂に聞き続けてる「潮風のいたずら」の男女逆版なんかよりずっと気持ちのいいものができそうじゃない?)