ゴーストバスターズ(3D吹替版)



先行上映の初日に2D字幕版を観賞(感想)、3D吹替版にも興味があっての二回目。超楽しくて、終わるのが寂しかった。以下、主にセリフの吹替にまつわる感想。


本編最後のパティ(レスリー・ジョーンズ/くじら)の「まとめてのせればいいんじゃね?」には、自分もああいう言い方をするからこそ笑ってしまった(字幕版を見た時には吹き出しはしなかった)。大袈裟だけど、日本語で喋る四人を見て初めて、あっ、この全員、自分の中に居る!と思った。私の場合、日本語だと「分かる」を超えるというか、もっと先に「来る」ものがあるから、ただでさえ面白い映画をあんなふうにうまく吹替えられたらたまらない。ホルツマン(ケイト・マッキノン朴ロ美)のかっこよさ、ケヴィン(クリス・ヘムズワース森川智之)の馬鹿さとセクシーさもより体に来た。「その小さな蝶ネクタイはなんっすか?」には痺れたし、「もっと見る?」には震えてしまった(笑)


前回見てから二週間程経っているので、実際には何と言っていたかほぼ忘れてしまったのが残念だけど、吹替版ならではの「何だか意味が違う」「字数制限が無いぶん忠実である」事例が、勿論どちらもあった。エリン(クリスティン・ウィグ/友近)の「ビッグ・ホール!」は「ビッグな講堂!(吹替)」じゃないと思うんだけど、字幕は何だっけ?逆に地下鉄の画家の返答は、字幕では「ここはアトリエじゃない」だけだったのが、吹替では、そう言っていた通り「アトリエはソーホーにある」と説明される。市長補佐(セシリー・ストロング/石塚理恵)がバスターズについて「独女のリケジョ」と公言するのは、他の部分を見るとそういう意図は無いと分かるけど、例えば「fag」を字幕で「おかま」とするような、こういう時にはむしろそちらが正しい、ということになっている。


字幕版を見る時にはやはり文字を目で追ってしまっているのか、見逃していた部分も多々あった。例えばパティが「おじさんの車」をプレゼンする場面で、埃の積もったボンネットに目の前の建物がしっかり映っているのには気付かなかった。あれはいい。他にも皆の表情、例えば三人で大学から備品を盗んで逃げる時のエリンのふんがー!とでもいう、いわば完全に「本来の心」を取り戻した顔や、初対面のケヴィンの行動に唖然とするホルツマンが、次には彼を「認めた」時の顔なども見ていなかった。更に、二度目だからというのも大きいだろうけど、冒頭エリンがいつのまにか屋敷に一緒に入っているくだりや、地下鉄で「あと数分」に追われているくだりなど、話の細かい流れがすんなり頭に入って来た。


3D効果はとても「自然」でよかった(私がさすがにもう3D映像に慣れただけかもしれないけど・笑)。一番心に残ったのは、「空気の抜けた風船」のアビーと、はみ出してる「Patty」。ちなみに私が初めて劇場で見た3D映画は「センター・オブ・ジ・アース」で、まずおおっとなったのがブレンが歯を磨いて(こちらに)ぺっとやる場面なんだけど、本作の3D版でもまずおおっとなるのが「エクトゲロ」を吐かれる場面だったので、あれがやっぱり基本なんだなと思う(笑)