白鳥・兼好を聴け!



三遊亭兼好「ねずみ」
三遊亭白鳥「落語の仮面第2話 嵐の初天神
 (中入)
座談会
 (12/15・北沢タウンホール


北沢タウンホールで開催されていた「この落語家を聴け!」のインタビュー部分をまとめた「『落語家』という生き方」出版記念の落語会。横目で見つつ何となく未購入だった本はその場で同居人が買ってくれ、広瀬氏にサインもしてもらった。
二人とも高座に上がるなり「(本に載っている中から)なぜ自分が選ばれたのか」と笑いを取っていたけど、結構しっくりくる組み合わせ。共通点は「落語を知らなかった」ことと、「目が悪くて客席がよく見えない」ということかな(笑)かつてのこの会と違い「祭りの後」のようにリラックスした雰囲気で伸び伸びしており、普段なら一席ずつなんて損した気持ちになるところだけど、大いに満足。白鳥さんは寄席じゃあ30分のネタを40分掛けて演ったけど、全然だれず。私にはあっという間だった。


座談会にて広瀬氏が、白鳥さんの書いた小説「ギンギラ落語ボーイ」は全篇これ芸談のようなものと言っていたけれど(確かにそうだ)「落語の仮面」もまさにそう、だからこれを掛けたのかな。第2話「嵐の初天神」で花が学び実践するのは白鳥さんのしていることそのもの、ここ数年本人の口からよく聞く「伝える」という技だ。そんなこと(数々の場でそれを口にしているということ)を知るはずのない兼好さんも、白鳥さんの高座について「昔と同じことをやっているのに受けるようになったのは…」と述べていたのが面白い。
作中の「初天神」において、昔の子どもはいつも腹を空かせていたと(北島マヤばりに)「餓鬼」が憑依したように金坊を演じるくだりには、枕で何度か聞いた、真冬に自転車でアイスを買いに行く話を思い出した(笑)