黒門亭 二部



開口一番(桃月庵はまぐり「道灌」)
柳亭こみち「稽古屋」
桂文生「猿後家」
 (中入)
林家久蔵「ごめんなさい!」
三遊亭白鳥「千葉棒鱈」
 (1/10・黒門亭


こみち・白鳥が揃うので出向いてみた、数年ぶりの黒門亭。ネタ下ろしに立ち会ったこみちさんの「稽古屋」は随分すっきりして、ギャグもちょこっと変わって、輝いてた。


「千葉棒鱈」は、白鳥さんいわく「三遊亭美るくが『棒鱈』を演っているのを見て出身地を取り入れるようアドバイスしたら『作ってください』と言われて」手掛けた「棒鱈」の改作。作中にも出てくる美るくさんの生まれは、同居人の故郷の一つとほぼ同じ。「千葉の言葉を遣ってくれたらもっと楽しかったのに」とは、自分に置き換えたら確かにそうだろう。
枕で「棒鱈」について「鹿児島のことがあんなに馬鹿にされているのにあいつら(鹿児島出身の噺家数名を挙げて)は怒らない」。私もまあ怒らないだろうけど、そう考える人の方こそ落語を変えていくんだなあ、というか、私は落語に決して心底ははまれないけれど、白鳥さんのような人がいるから聴いてるんだなあと思う。「『子別れ』なんて男のパラダイス(だから女が古典落語を演るのは難しい、そのために自分が女版を作る)」とも言っていた。以前はこういう物言いはしなかった、最近の白鳥さんは、落語についてよりストレートなことを口にするようになった。何か自信の表れというか落ち着きのようなものを勝手に感じた。