第五十三回 新文芸坐落語会



鈴々舎馬るこ「転失気」
三遊亭遊雀「堪忍袋」
立川左談次「読書日記」
 (中入)
古今亭文菊「やかんなめ」
桃月庵白酒「首ったけ」
 (1/22・新文芸坐


久しぶりの新文芸坐落語会。以前はここに寄ってたなあと、皇琲亭でまず一杯。やっぱり美味しい☆奥はあまおうのチーズケーキ。きれいなコーヒーカップとぴかぴかのミルクポット、写真は撮らなかったけどテーブルに飾られた季節の椿も嬉しい。


文芸坐の落語会にはめくり(に相当するもの)がない。前からそうだっけ?先入観もあるんだろうけど、めくりが無いと場内の覇気が落ちるような気がする。
「今、一番めでたい落語家です!(NHK演芸大賞新人賞受賞のこと)」と登場した馬るこさんの「転失気」は、和尚が石立鉄男に思えてしょうがない(笑)…といっても主役はほぼ、和尚に騙されたことにショックを受ける小僧さん。確かに「今」っぽい。独自のサゲも楽しい。
遊雀さんはいつも近くで見て、顔ばかり注目しちゃってるから、後方に座ったこの日は、高座に上るまでに始まり全身の仕草を堪能した。何度も聴いてる「堪忍袋」は安定の面白さ。袋を閉める「しゅっ」という擬音、これまであったっけ?
遊雀さんによると楽屋のメンツ表の「持ち時間」の欄に一人だけ「めいっぱい」と書いてあった…という、文芸坐初登場の左談次は昔の寄席の楽屋話(これも「ネタ」なのかな?)に続けて「読書日記」。育児もの、健康もの、ハウツーもの、最後に鉄板の噺家もの。楽しい。


久々に見た文菊は、真打になった!って感じの上りぶり(笑)
白酒さんは、この日初めての「池袋」ネタ(何故皆口にしなかったのか?なぜか「やりづらい」高座に関する枕が多かった・笑)の途中、一つ江戸っ子のセリフが入ると、そこだけ上手くて別世界(笑)かつて江戸の遊郭だけは「廻し」を取ったもので…と話し始めるので「五人廻し」かと思いきや「首ったけ」。若い衆と紅梅のやりとりのとぼけ感、ラストのスピード感よ。