遊雀玉手箱


三遊亭遊雀「七段目」
三遊亭遊雀「うどんや」
昔昔亭桃太郎「金満家族」
 (中入)
三遊亭遊雀文七元結
 (11/26・内幸町ホール)


シークレットゲストは桃ちゃん。冒頭トーク遊雀さんに私服を誉められ「オレは芸協の談志だから」「いきなり談志師匠の話ですか?笑」。好意はあっても追悼の意など無い、知らない人が観たら談志が死んだと分からないような自分語りが桃ちゃんらしい(笑)後の高座では枕でうんこの話の後「金満家族」。
トーク後に上がった遊雀さんは上記のことをフォローするかのように、談志について「噺家なら誰しも自分だけの思い出を持っている」。「落語のピン」出場時に初めて会ったら、その時演った「反対俥」について、酔った上で「反対俥といったら俺だろう!なぜ俺んとこに習いに来ない!」「アメリカのコメディ映画で、飛行機が小屋に突っ込むようにやればいいんだ」と言われたそう。
二席目でうどん食べる仕草の素晴らしいこと。ちなみにその後、桃ちゃんは「金満家族」の食事シーンで「ここ、つくかな?」と言っていた(笑)


中入後は大王製紙の「若旦那」(の博打)ネタを枕に、「文七元結」に約一時間。桃ちゃんの喋りが長かったこともあり(笑)7時に始まった会が終わったら9時50分。
文七は特に、語り手によってディティールが違うのが面白い。遊雀さんの場合、長兵衛さんは「博打なんてもうしたくないが、博打でないと返せない額の借金を背負ってるからせざるを得ない」。また吾妻橋の場面で、お久のことを喋ったり佐野槌の名前を出したりしないが、「天を仰いでつぶやいていた」言葉を文七が覚えていたことから、番頭さんたちが事情を推測する。これはいかにも自然でいい。
メリハリある熱演ですごいなあと思ったけど、私はこの噺が苦手なので…まず長いから!加えて主人公が家族に暴力振るってるのがいけ好かないし、おかみさんとお久がめそめそしてるのも気持ち悪い。映画や小説ならそういう話か〜と思えるけど、落語って、ある程度受け取り方を強制されてるような気がしてしまって。まあ何でも嫌いな部分があるのはしょうがない。