スター・トレック イントゥ・ダークネス



テレビドラマシリーズは未見、前回の劇場映画のみ観賞済。
145分の長丁場、盛り上がり!盛り上がり!の連続で、筋書きもまっすぐで、ちょこっと気抜いてても「分かる」から有り難いし、楽しく見たけど、連続テレビドラマをぎゅっとまとめたような感じで、「映画」の快感はあまりなかった。そもそも宇宙船が調査に出る理由が分からず、自分のところを守ってるだけじゃダメなの?と思ってしまう。そういや前作もそのためになかなか乗れなかったんだった。


前作について覚えているのは、クリス・パインによるカークがむかつく!ってこと。その「むかつく」ところこそ(作中世界において)「貴重」であり、彼が主人公たる所以だというのは分かるんだけども。今回もむかつかされたけど、最大波が開始早々に通り過ぎたのでよかった(笑)大勢の、加えて友人のスポックの命を救うため、何重もの違反行為に出る彼の「(原住民に対して、当座は)憎まれることしちゃったけど…」と言うあの顔!いや、あれこそ彼が「出来る」最高のことだというのは分かるんだけども。


前作でもう一つ覚えてたのは、カーク誕生の一幕について、あんなに「技術」が発達してるのに、出産、もっと楽に出来ないの?という違和感。今回も冒頭、くそ早起きした夫婦が難病の子を見舞いに行くという、もっと何とかならないの?と思っちゃう場面が出てくる。「スタートレック」って、高度に「発達」した世界で「昔ながら」の営みが行われてるのがポイントなのかな。
ちなみに今回の違和感は、事前に「エリジウム」の予告編で「癌が一瞬で治る」描写を見たからってのもあるんだけど、「未来」をどういうふうに描くかなんて正解は無いわけで、どう扱うかってのが「物語を作る」ってことなんだな。まあ本作の場合、ラストに「アレ」の方は輸血で治っちゃうんだ〜と拍子抜けするけど(笑)


「SFが苦手な人」のサンプルみたいな私の心理ってどういうものかというと、馬鹿みたいだけど、舞台が宇宙ばっかでつまんない!という感じ。上手く言えないけど、「見慣れ」なさすぎて地に足が付いてない、落ち着かないっていうか。だから宇宙船が地球に墜落する場面ではほっと一息(笑)ここでそのでかさが「分かる」のもいい、「リフト無し」じゃそりゃあ内部の移動も大変だよなあと思う。
「地球」じゃないけど、エンタープライズ号が「海」から出現する場面もよかった。サイモン・ペッグ演じるスコッティが「こんなことしたら錆びついちゃう」と文句言ってたってことは、ドラマシリーズでもああいう場面って無い、あるいは珍しいのかな?


日本における宣伝の一枚看板?ベネディクト・カンバーバッチは、悪役なのに変な言い方だけど、スクリーンに映ってるだけで安心させられる。表情も安定なら、アクションも安定。眉毛から下のどアップ顔や前髪が乱れて垂れてる顔が多いので顔の長さが分からなかったと話したら、同居人いわく「シャーロック(役)の時は人を見下し気味なのが、今回は顎引き気味だから、短めに見えたんじゃない?」。もう一度見て確認したくなった(笑)
彼演じるハリソンに暴力を振るわれる「娘」の悲鳴が異様に大きいのにびっくりしたものだけど、あれは「超人」的な力を、行使する直接的な場面無くして表してたのかな。これももう一度見たいところ。