バレット



公開初日、新宿ピカデリーにて観賞。ウォルター・ヒル監督、シルベスター・スタローン主演。一番小さいスクリーンだけど「映画の日」効果か満席に近く嬉しかった。こういう映画が少人数じゃ寂しいもの。



「彼を見逃してあげて、路上で育って、その後はずっと刑務所にいたのよ」
「でも殺人犯だから…」


奇しくもスタローンの相棒となった「デカ」はそんなことを言うわけだけど、私もちょっとそういうところがあるけど、映画など観ていて、でも殺人犯だし!と思ってしまう「風潮」って、多分、昔より今の方が強い。本作はそれに対し、いやいや、映画では人が死ぬものなんだ、それでいいんだ、と楽しく異を唱えてくれる。ただし最後、スタローンによって「死んだのは悪いやつらだけ」と念押しされる(笑)


オープニング、スタローンと彼よりはだいぶ若い相棒が「仕事」に出掛ける。全編通じて、スタローンの出動の際はブルースハープによるテーマが鳴り響く。ホテルのスイートルームでの一幕にオープニングクレジットが挟み込まれるセンスに「飛べ!フェニックス」を思い出す、とは言いすぎだけど(笑)なかなかかっこいい。ターゲットが倒れたところで「directed by Walter Hill」。
これが終わったと思うと、次のまたしてもドキドキさせられる一幕は「こいつはしんどいゲームだった…」というスタローン自身のナレーションで締めくくられる。見慣れた設定・小道具、全て想像通りの展開ながら、こうして一幕一幕を確実に叩き込んでくる感じに、映画館で正常に息してる!と思う(すなわち、通常の一割増程度の高揚感が最初から最後まで続くってこと)。スタローン一人だけがかっこいいとか、とある場面だけ突出して目を引くとか、そういうんじゃなく、全てが均等に、バランス取れてるのが、最近じゃ逆に新鮮な気がして楽しかった。