アーティスト



公開初日、新宿ピカデリーにて観賞。最大スクリーンでの上映ながら、お客はまばら。


私には「面白すぎ」ていまいち楽しめなかった。詳しくは見てのお楽しみ、としか言いようの無い意匠が全編に凝らされてるんだけど、そのことにより「映画」そのものについて思いを馳せてしまい、目の前のこの映画からは心が離れていく、という感じ。例えば、字幕になるセリフとならないセリフとがあるんだし、喋るのに口動かさないってのもアリなんじゃないか、なんて考えてしまったり。


サイレント映画ならではの見辛さというのもある。例えばペピーが初めてエキストラ出演する場面、踊るうちに二人が変わっていくんだろうな、どういう具合だろう、と楽しみにしていると、それどころか「見て取れる」をはるかに越えた描写が押し付けられる。何らかの自由を奪われるというか。でも「本物の」サイレント映画を観てる時にはそういうの、気にならないから、私が「今」の映画だと気負ってるのかな。


クレジットでペピーの「出世」を表す描写など、ああいう単純なのは好きだ(笑)彼女が番号を渡す撮影所?やオークション会場の階段などを横から捉えた画面が面白く、なぜか「ハイスクール・ミュージカル」を思い出した。