最近観たもの


ここ一ヶ月くらいの間に観たけど日記に残してないもの。twitterから抜書き。


ナッシュビル


武蔵野館の企画「ZIGGY FILMS '70s」にて。昨年の「バード★シット」「ハロルドとモード」では前者の方が全然好き、今年は「ナッシュビル」「天国の日々」だそうだけど、もともとテレンス・マリックってそう好きじゃないから、アルトマンの勝ち抜きみたいな形になりそう。アルトマン大好き!ってわざわざ思ったことないけど、スクリーンで観るとほんとに面白い。「ナッシュビル」最高だった。あのセンス、あのスタンス。
いつ見ても衝撃的としか言いようのないシェリー・デュヴァルは勿論、女優さんたちの表情がとてもいい。リリー・トムスンやグウェン・ウェルズ(音痴)の、ふとした時に見せる笑顔の素晴らしさ。そして、デビュー間もないスコット・グレンが超キュート。そりゃあシェリーもハイって声掛ける。


▼ふたりのヌーヴェルバーグ ゴダールトリュフォー


ゴダールトリュフォー、全部観てるわけでも大好きなわけでもないし、この二人の顔ばかり眺めてても楽しくないけど(笑)ジャン=ピエール・レオー目当てで出掛けてみた。いわく「レオーをめぐる親権争いのような二人」の話。終盤はとくに、彼の言葉から二人の姿が浮き彫りになる。加えて超嬉しい、エンディングのお宝映像。
冒頭、「大人は判ってくれない」撮影直後のレオーがインタビューに答えて「映画の観方が変わった、その道に進みたいから、今では研究のために観てる」。続く前半では、ゴダールトリュフォーのシネフィルぶりが描かれる。「映画」と一体である彼らには、レオーのような「転換」という感覚はなかったのかもしれない。
それにしても、プロの目にはどうなのか分からないけど、「同士」の出会いから決裂までを描いたドキュメンタリーでありながら、やおい的空気が一切感じられないというのは逆にすごい。


▼この愛のために撃て


すべて彼女のために」(感想)のフレッド・カヴァイエ監督の新作。予告観た時はまたこんなんか〜、と思ったけどやっぱり面白かった。でもすごくわくわくはしなかった。
ジェラール・ランヴァン(警察内部のとあるトップ)は、窪塚洋介の三十年後って感じ。あの目が人を惹き付けるんだな。



▼トライアングル


「なるほど」×100。私には「世界はどう頑張っても自分のものでしかない」という漠然とした恐怖を、一つの物語のカタチにしたものに思われた。「分岐」により「自分」が相対的に小さくなっていく。どうしたって「一つの肉体」の中にしか存在し得ない、そこから出られないというルールを突きつけられ、「自分」とは何だろうと考えさせられる。
くっきりはっきり、「意味のある」ものばかりで構成された世界。「映画的」にじゃなく。豪華なカラオケ屋って感じの船内セットの無機質な感じ。こういういさぎよさもいい。
会話のシーンにおいて、違和感を覚えること数回。例えば「今度同じこと言ったら、海から落とすぞ(笑)」の後にそれを言われた主人公のカット、繋がってないように感じられた。