アウェイク



冒頭「術中覚醒」に関する一文。「一年に全身麻酔を受ける○万人のうち、なんと○万人は意識がある」(人数どっちも忘れた)とかなんとか。予告編からも分かるこのモチーフに興味を持って出掛けたところ、それどころじゃなく面白かった。


亡き父から大企業を受け継いだクレイトン(ヘイデン・クリステンセン)は、秘書のサム(ジェシカ・アルバ)との婚約を母のリリスレナ・オリン)に打ち明けられずにいた。しかし自身の心臓疾患について信頼を寄せている医者ジャック(テレンス・ハワード)に励まされ、秘密裏に結婚を済ませる。奇しくもその夜、ドナーが見つかったとの連絡が入り、クレイトンはジャックに手術を依頼する。


まずはレナ・オリン様が出ずっぱりなのが嬉しい。ヘイデンに起こされたベッドでの顔は老婆のようだけど、朝食の席でヒール履いて新聞読む姿に、さすが脚組ませたら世界一だなあと思わせられる。その後もリムジンの中、鏡台の前で脚を組んでくれる。後半は脚組まないけど、全ての登場シーンが見どころだ。


もともと90分もない作品だけど、体感では三分の二ほどが「手術の間」の出来事。話術が上手くて片時も飽きない。
手術が始まると、まずは期待してた、覚醒したままで腹を切り裂かれる主人公の恐怖がシンプルに描かれる。やがて彼が起きてると知らず周囲が悪巧みを吐露し始め、身動きできないヘイデンに対し「頑張れ頑張れ、でもどうするの?」と思ってると、少々意表を突かれることが起きる(笑)かくして彼が為す術もなく殺されそうになりながら、「真実」を掴もう、現状を打破しようと努力する様が、回想&現在の映像により進んで行く。その場の唯一の味方が「酒飲んで手術に来てる見知らぬ医者」というのもいい(彼がらみで「ずっこけ」としか言いようのない妙なシーンあり、一人だけ笑ってしまい恥ずかしかった)。
終盤はレナ・オリン様が大活躍、鮮やかなラストへと繋げる。「推理」部門も全て彼女が担当。「自動販売機の使い方も知らないセレブ」だと思わせておいて、あの場面に違う意味があったとは。


ラストには主人公が色々な意味で「アウェイク」する。そういやヘイデンって「アナキン・スカイウォーカー」なんだよなあ、と思ってしまった(笑・全然違う話だけど)。