マイキー&ニッキー



「俺って同じ話ばかりしてるか?(あいつにそう言われた)」
「そう?気付かなかったわ」
「気付けよ!これからはそういうの、気にしろよ」


76年エレイン・メイ監督、日本ではビデオのみリリースされてた作品がニュープリントで劇場初公開とのことで、ユーロスペースにて観賞。



組織に追われるニッキー(ジョン・カサヴェテス)が幼馴染マイキー(ピーター・フォーク)に助けを求める…とあらすじ書くのも馬鹿馬鹿しい、カサヴェテス&フォークの腐れ(縁)オヤジ二人組が延々とドタバタを繰り広げる話。「押問答」がテーマのスケッチが幾度も繰り返されるとでもいえばいいかな。カフェのカウンターを飛び越えるフォークに親友を蹴ろうとしてずっこけるカサヴェテス、二人のアクションも楽しい。


始めフォークが、その後はカサヴェテスが、入れてくれとドアを叩く場面が繰り返される。女たちは抵抗しながらも彼を入れたい、入れてしまう。しかし最後のドアだけは開かなかった。
私はめそめそした女しか出てこない映画は嫌いだから、この映画も、面白いけど好きじゃない。もっと明るく!やることやって追い出せよ!と幾度も苛つかさせられた(笑)


真夜中少し前から、早朝までの物語。ネオンは最小限で町は暗いのに、お店も人も宵っ張りで、これからの日本もこうすりゃいいのにと思った(笑)12時過ぎてもバスは動いてるし、汚い飲み屋じゃ老カップルが談笑、オールナイトの劇場にもそこそこ客が入ってる。ボスは仲間とチーズをつまみながらカードの最中。ごく普通の朝の光とともに迎えるラストシーンがいい。


登場時からしょぼい殺し屋を演じるネッド・ビーティもいい。エンドクレジットでは二人と並び、メインキャスト3人という扱い。「ホテル代ひいたら儲けなんてゼロ」「3つの仕事のうち、簡単そうだから選んだ」「俺にも標識くらい見える!」などぶつぶつ言いながらハンドルを握る。
…なんて書きながら、この人何に出てたっけ?と検索したら、デビューはジョン・ブアマンの「脱出」(面白い!)の、早く風呂に入れてやりたくなるキャラナンバーワン、あの白でぶかあ。来月公開の「キラー・インサイド・ミー」にも出演してるらしいから、楽しみ。