ティーンエイジ・パパラッチ




キャメロン・ディアスがマリブに来てるって?行く行く」
「今からマリブなんて、もう寝る時間だぞ」


「(放映中のドラマで)セレブを演じてセレブになった」俳優エイドリアン・グレニアーは、13歳のパパラッチ・オースティンと出会い、彼を追うドキュメンタリーの制作を思いつく。
冒頭の少年と父親のやりとりに始まり私生活を紹介した後、撮られるセレブ、他のパパラッチ、写真を買い取る雑誌社、メディア学の専門家など様々な人に話を聞いたり、エイドリアン自身がパパラッチを体験したり。あげく驚いたことに「こんなことじゃいけない」と少年を「改心」させようとする。有名な報道写真や出来上がった本作のフィルムを見せたりするものの、結局、少年は「時間」によって変わるのだった。


セレブのインタビュー映像はどれも面白くない。パリスが「金持ち喧嘩せず」的笑顔を見せたり(代わりと言っちゃ何だけど彼女の犬が超可愛い)、マット・デイモンが「甘い生活」(この作品に「パパラッチ」という名称が由来していることも語られる)のポスターの前でしかつめらしい顔で意見を述べたり。セレブの登場では、ただの写真だけど、大好きなデヴィッド・スペードの顔がスクリーンで見られたのが嬉しかったくらい(笑)


作り手のエイドリアン・グレニアーって知らない人だと思って観ていたら、撮影中に近寄ってきた一般人が「『プラダを着た悪魔』に出てたろ?クソみたいな映画だけど、お前はよかった」などと言うので、あの人か!と分かった(ちなみに私もこの人と同意見・笑)。その途端、結構イイ男に見えるし、映画もちょこっと面白く感じられる。自分じゃセレブに興味ないつもりでも、こういう「知ってる人」に対して心高ぶる感情が、「セレブ」やパパラッチを生んでるんだろうなと思った。