新春談笑ショー


立川談笑時そば
三遊亭白鳥「火焔太鼓」
(仲入り)
松元ヒロ(スタンダップコメディ
立川談笑文七元結


談笑には「クラスメイト」(というのも死語だな)的魅力、親近感を覚える。私は自分と世代の近い落語家さんの高座を聴くのが好きなんだけど、彼には立川流の中で唯一、同じ時代を生きてきた感じを受ける。


文七元結」に一時間。長平衛さんが50両をあげてしまう経緯に力が入っている。奥さんの影は薄く、佐野槌の女将が頑張る。私の中では可愛らしいイメージの文七は、うじうじした感じ。そもそも彼の落語における人間関係、とくに男女の仲ってかなりウェットだから、馬鹿馬鹿しいだけの話のほうが聴きやすくはある。
談笑バージョンの古典落語は、現代に通用するよう、あるいは理屈が通るよう、色々工夫がこらされている。でも、落語のストーリーなんて無茶苦茶なものだから、細部に光を当てたために、目を向けないほうがいい所に考えが及んでしまうということもある。「あたりや」のおやじがごまかしに気付かないわけないってのもそうだし(笑)佐野槌の女将が自分も「父親が迎えに来なかったお久」であったことを明かすくだりには、当たり前ながら、吾妻橋での一件がなけりゃお久もそうなってたかも…という暗い可能性を想像してしまった。それもまた面白さか。


映画的感覚に陥る瞬間が幾度もあり(そのせいか?誰が喋ってるのか分からない所もあった)、最後のオチにはデパルマの「キャリー」を思い出した(笑)


公演後、同居人が昨年発売のCDを買ってサインの列に並んでくれた。それ以前のは持ってるけど、買おうか迷ってたもの。ちょっと恥ずかしかったけど、名前入りサインと握手をしてもらう。