最近読んだ本


走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること


村上春樹を読んでいる&走っている同居人が買ってきたので、ごはんの用意を待つ間に読んだ。熱心な春樹読者でもランナーでもない私が興味を持つのを同居人は少々不思議がっていたけど、真面目な人の自分語り…とくにフィジカルな経験語りには、いつも惹かれる。
彼が走りだしたのは、今の私と同じ33歳のとき。走りたくない朝には「満員電車での通勤に比べたら」と自分を奮い立たせる、書こうと書くまいと小説家として一定時間は机に向かう、などの健全ぶりに好感を持った。人生には優先順位が必要だ。人には生まれつきの「総合的傾向」がある。文章にすればシンプルなことが、フィジカルな経験を通して語られると、あるいは自分で経験すると、とても面白く感じられる。山岳ものが好きなのも同じ理由かもしれない。


少女雑誌ふろくコレクション (らんぷの本)

少女雑誌ふろくコレクション (らんぷの本)


「1970年代から1990年代までの『りぼん』のふろく」「1960年代までの『少女ふろく』」の2部構成で、「りぼんとは?」「アイビールックって何?」など、まるで図工の教科書のような作り。当時りぼんのふろくを作っていた工場の社長さんのインタビューは、この手の本にしては新しいアプローチで面白かった。でも一条ゆかりと小田空の項があって、萩岩睦美がないのは納得できない…
ちなみに私は「乙女ちっく三羽烏」の中では、「家賃七千円、四畳半のカギもない部屋」で、白い洋館が舞台の「フランス窓便り」を書いていた(集英社ガールズコミックス版後書きより)田渕由美子が好きだ。関係ないけど彼女もまた、フルマラソンのランナーである。
第2章では中原淳一内藤ルネ高橋真琴など有名漫画家のふろくが紹介されており楽しい。わたなべまさこの羽ペン、牧美也子の紙襞スカートの人形なども可愛い〜。


74年うまれの私は82年頃から「りぼん」を買っていたけど、ふろくについては、買った日は嬉しくていじくりまわすものの、その後の記憶はあまりない。
唯一覚えているのは池野恋の「サンドウィッチボックス」。ある日曜日、皆で揃ってこれにお弁当をつめて遊びに行くことにしたのはいいけど、先日書いたように、ウチは祖父母が料理担当だったためサンドウィッチなど出たためしがなく、おばあちゃんに頼んだところ、いちごジャムを挟んだ食パンを2つに切ったものが延々と入っていた。水筒にはカルピス。結構美味しかった気がする。