クイーン


新宿武蔵野館にて。
愛するヴァレリア・ブルーニ・テデスキ出演の「不完全なふたり」(公式サイト)、「天然コケッコー」(公式サイト)などの予告編に初めて遭遇。前者のように、列車の出てくる映画には心惹かれる。


作中のヘレン・ミレンの歩き方が私にそっくりだと言われた。足を投げ出すように歩くの。



何とはなしにポスター見てたので、ヘレン・ミレン演じるエリザベス女王の一代記だと思ってたら、実際は、ダイアナ妃が他界した一週間の、王室やブレア首相など周辺の人々を描いた映画だった。
まずは「マリー・アントワネット」同様、王室の生活を…忠実に再現しているにせよそうでないにせよ…映像で観られる、というのが面白い。女王が夜に着るピンクのガウン、ベッドの中のヘアピン、邸内で持ち歩くカバンの中身は何だろう(筆記具を取り出すシーンはアリ)、書類のやりとりに使う籐のカゴは、ファイルはみ出てるしもうちょっと大きい方がいいんじゃないか、テレビ古いな〜、などなど。川辺のピクニックで女王が持参した「冷めても食べられるシチュー」がタッパーの外からしか見られなかったのが残念。
それから、小道具じゃないけど、ブレア首相夫人は、あの朝、なぜあのスーツを選んだのかちょっと考えてしまった。


オープニングを始め、作中何度も女王の顔はアップになるが、その薄い上唇は印象的だ。ブレアいわく、彼女は「ストイックで不平不満を言わない女性」。もともとヘレン・ミレンの唇は薄いけれども、紅でさらに直線のごとく強調された上唇はその象徴だ。私はリップペンシルを使う際、上も下もまるくふちどる。それはたぶん「ストイックじゃない」というしるしだ。
しかし映画の彼女はチャーミングである。ストイックであることと、ああいうチャーミングさとは両立するものなんだと再確認した。垂れてもいないハナをスカーフでこするシーンがかわいらしかった。


それから、新聞ってそんなに力のあるものなのか、と思った。