彼女は夢見るドラマ・クイーン


彼女は夢見るドラマ・クイーン [DVD]

彼女は夢見るドラマ・クイーン [DVD]


ジャケ裏のあらすじによると「ロックスターに会いたい」モノ映画かあ…とはいえオモテもウラも見ての通り主演のリンジー・ローハンの百面相で、ロックスターなる人物の顔は1ミリも出てなかったのですが、借りてみました。すごく楽しかった。彼女の出てる映画はどれも面白いね。
ミーン・ガールズ」と同じ転校生役だったり、「フォーチュン・クッキー」を思い出させるギター抱えシーンがあったり…他作品のいいとこどり、といえばいいかな?でもってこの2作に比べ、よりリンジー色が強いです(=オトナのキャラクターはほとんど活躍しない)。


女優を夢みるローラ(リンジー)は、音楽やファッションを愛する高校生。「地球の中心」ニューヨークからニュージャージーへの引越しにもめげず頑張ってたところへ、敬愛するロックバンド「シッダールダ」解散のニュースが。追い討ちをかけるように、彼女を目のカタキにしているカーラ(ミーガン・フォックス)がパパのコネでアフターパーティに招待されたとのこと。これはもぐりこむしかない!でもどうやって…?



あくまでもリンジーが主役なので、クライマックスは「王子様」(アダム・ガルシア/「サンキュー、ボーイズ」でドリュー・バリモアスティーブ・ザーンと共演してたっけ/いまimdbみたら私と一日ちがいの6/1生まれで双子座じゃん、いい人に違いない)との邂逅やライブシーンなどではなく、彼女が学校で演じる「マイ・フェア・レディ」。この舞台劇が、短いながらも結構な出来で楽しいんだ。初老の国語教師が「舞台を現代のニューヨークに置き換えた」という設定なんだけど、ステージ下にて彼女が、リンジー扮するイライザのセリフ「私、教師になるわ!教師って素晴らしい職業だもの」というのをまさに「ネコにクリーム」顔で聞いてるのが可笑しい。
ボウイの「changes」がちょっとしたテーマ曲(という言い方もヘンだな)として使われてるのですが、やはり自身の曲を歌い踊ってるときが一番良かったなあ。衣裳も全部カワイくて。
私は、いわゆる女のコ・ロックって普段全く聴かないのですが、映画の中だとやっぱり楽しいんだよねえ。この歳になっても、女のコ側の気持ちにスッと入ってしまう。リンジーの場合、喋り声は独特にかすれてるのが、聞いてて気持ちいい。
そうそう、リンジーと親友のエラ(アリソン・ピル/「エイプリルの七面鳥」(感想)の妹役)が夜のニューヨークをさまようシーンは、私がここ10年の「女のコ二人」モノ映画の中で最高傑作だと思ってる「キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!」(ASIN:B0001E3CKA)を思い出してしまいました。その他、二人が電車の中で特別仕様にお着替えするシーン(画像/でも結局パーティでは脱ぐはめに…ディズニー映画だから健全な理由でだよ)や、ライバルのカーラとゲームセンターでダンス対決するシーンなども楽しい!
その他、「王子様」にはほとんど触れられないとはいえ、リンジーの自室やコレクションはやはり見所。ベッド脇のポスターは当然上半身ハダカだし、スクラップブックには、彼がくねくねダンスするパラパラ漫画(笑)や、「カレと結婚するときのウェディングドレス」案が!解散をしのんで?お葬式もするの。
(全然関係ないんだけど、葬式といえば、先月ようやく観ることができた「フォード・フェアレーン」でのヴィンス・ニールの葬式シーンが爆笑もので、いまだに目に焼きついてる…)


ラストシーン、リンジーのダンスの相手は王子様から同級生のサムへと変わる。いわく「夢は現実よりも楽しい」。「何もない」と思っていたニュージャージーでも色んなことがあった。夢見る女のコは地に足つけて歩き出したのでした。


リンジーの主演映画は日本じゃビデオスルーが多いけど、夏には「ハービー〜機械じかけのキューピッド」(公式サイト)が公開されます。これも楽しそうだ。