サンタと、beer and a cigarette


関心空間akibako経由で、ほぼ日刊イトイ新聞内の「サンタの国、フィンランドから」というコラムを知り、面白く読みました。
第5回の、造花を買ったおじさんの話にはついほろっと。第6回には犯罪の話が出てくるけど、カウリスマキに限らず他の人も、出身者だからこそ感じるフィンランドの困った点についても言及してたりするけど、まあ、どこだって色々だ。
最新号の第7回はアンニッキ・タハティのナマ歌レポート。アンニッキ・タハティといえば「過去のない男」と「愛しのタチアナ」(感想文)。
(それにしても、カンヌのレッドカーペットでアキがステップ踏んだのには、そういう裏事情があったのか…?(笑))

アキの映画は、3年ほど前にBOX(ASIN:B000065VTS)が出てから、レンタル屋でもバラで置いてくれたりして、手軽に観られるようになったけど、私の最も好きな作品のひとつ「パラダイスの夕暮れ」(感想文)はBOXのみの特別ディスクだから、置いてないんだよなあ。ビデオの在庫があればいいけど…
そういや「キッチン・ストーリー」(ASIN:B0001X9D7C)の冒頭は、ちょっとこの映画を思い出させました。ジャズとクルマ。でも、キッチン〜の宣伝にはアキの名前が使われてたけど(北欧で名の知れた現代の映画監督が他にいないってことだろうけど)、お国柄、じゃなくて半島柄?というのはあるけど、それ以上はやはり、それぞれの作家の個性が色濃い。
カウリスマキは、とにかく映画が好きで好きで、映画の歴史に、自分の物語と意思を託して再表現する作家。たまに「鬼才」と表現されてるけど、努力と頑固の人だ。どのシーンをとっても映画の中の映画、というかんじ。クラシック映画に詳しい人が観たら、私よりずっと、色んなことに気付くんだろうなあ。
(引用ではないけれど、たとえば「愛しのタチアナ」の冒頭、コーヒーが切れてることに怒るヴァルトの「こぶしを握り締めた手のアップ」や、終盤、旅の仲間が去り一人ぼっちになった彼の姿にかぶさる大仰な音楽。どういうつもりでやってるのか…笑)
よって目立った変化・進化はないけれど、作ってくうちに、やはり自然と道が開けてくるのか、作品を経るごとに、ちょっとずつ変わってきてる。落ち着いて丸くなってきてると思います。
あと、スターシステム?とは言わないか、たとえば、看板女優のカティ・オウティネンは、男と逃げて夫を悩ませる若妻の役からブサイクで誰にも相手にされない少女の役まで演じてる。映画のキャラクターだからそれでいい。こういうのは、何作か観ることでより感じられる面白さ。



そして、アキの映画といえば、タバコ、タバコ、タバコ。一人のときは勿論、男同士はタバコのやり取りで心を通わせ、女は男の吸いかけを口にして愛を自覚する。
アキ自身も、あんなにタバコ吸ってビール腹して(彼は大のビール党)、身体だいじょうぶ?と思わなくもないけど、まあ他人がどうこう考えるもんじゃないし、これからも元気でいてくれますように…と星空にお祈りしとくしかない。
ちなみに私自身はタバコ吸わなくなってもう数年たちます。どのみち、一緒にいる人に合わせる…相手が吸うなら吸う、吸わないなら吸わない…という程度の薄スモーカーだったんで、とくに苦労もなく禁煙状態が続いてる。
久々に男の人に会って、吸ってるタバコが替わってたりすると、ああ、お互い年とったなあ、と思ったりして…