イギリス人/モーガン・フィッシャー


高尾慶子「イギリス人はおかしい」(ASIN:4167123096)も私の愛読書のひとつです。
リドリー・スコット邸で「英国唯一の日本人ハウスキーパー頭」を勤めた著者によるイギリスの日常。メイドにあこがれてた私は、ハウスキーパーの仕事の描写をとくに興味ぶかく読みました。
(女中頭とは、仕事の描写はあまりないけど「日の名残り」(ASIN:B0002J57AC)のエマ・トンプソンのようなものか。この作品のラストは泣ける。こういう、実らない恋の物語に私は弱い。これクリストファー・リーヴが出てるね、あんまりいい人の役じゃないけど)
(私がメイドにあこがれるのは、家事が好きだから。そのことがばれると「いい奥さんに…」などと言われるけど(もしかしたら気を遣って言ってくれてるのかもしれないけど)、家事が好きであることと、特定の人のために無償で家事をするのが好きであることとは、全く違うということを、はっきりさせておきたい)


在英人の自国への嘆き(皮肉も含めて)は色んなところで垣間見られるけれど、ウェブ上では、ミック・ロンソンのファンサイトの方が訳した、イアン・ハンターが相方のロンソンを回想して書いた日記が印象的でした。ロックミュージシャンも苦労してるんだなと…(笑)


モットザフープルのメンバーでもあったモーガン・フィッシャーはもう20年ほど日本(現在は杉並区)に住んでいるらしい。コチラに詳細なインタビューがあります。
それから、この記事検索しててみつけたんだけど、今日産のCMで彼の曲が使われてるんだとか(コチラの日記より)。当のCMは日産のサイト内で見られるのですが、現在私のPCは今音が出ないので、どんな曲だかわかりません。テレビで遭遇するのを待つしかない。



モーガン・フィッシャーといえば私にとってはハノイの「Back to Mystery City」(ASIN:B000057DY0)だけど、彼自身がインタビューで言ってるとおり、モットに在籍してたのなんて何十年の人生のうちたったの3年、ハノイに参加したのはこの一枚だけ、でも、ミュージシャンであるってことは、よくも悪くも、たった数秒のプレイをも、後々まで云々されちゃうってことだよね…
今は環境音楽などをやってるみたいです。公式サイトで昨年出た最新アルバムについてみてみたら、一曲目は「焼き芋売りの声をモチーフにした「ヤキイモ」という曲」だそう。聴いてみたい…
(画像は全く関係ないけど当時のハノイの写真で私のお気に入りのひとつ。クリックすると大きくなる)


話がすっかりそれてしまいました。
高尾慶子の「イギリス・ニッポン言わせてもらいまっせ」が文庫になったので(ASIN:4167123134)買ってきたのです。
この人のはやっぱり冒頭にあげた一作目が面白かったなあ。
とはいえ、現在は60歳を迎えて無事年金生活を送っているそうですが(彼女は英国で年金をもらうために48歳で日本を再出国している)、人生設計をしてちゃんと目標に到達してるというのは、やはり尊敬に値する。
文中引用されている岸恵子
「女性が理想的な服を手に入れたければ、型紙はパリで買い、生地は香港で買い、日本で仕立ててもらう(と良い)」
という文句、うちの母や祖母も昔は洋裁店で、あるいは自分で服を作ってたものだけど、今はそのへんで買ってるもんなあ。昨年実家に戻ってたときに確認したら、いつも行っていた洋裁店はリサイクルショップになっていた。
私は服なんて作れないし、編み物はリリアンすら出来ない。大人になったら誰もが服を作れるようになるもんだと思っていたけど、当たり前だけど、やったことないことはできない。なんというか、やらずに通り過ぎて来てしまったことが、たくさんあるように思う…