パグ・アクチュアリー



「のむコレ」にて観賞。パグが出てくるからこの邦題って(原題はその犬の名前「Patrick」)なんだそりゃと思いつつ見に行ったらとてもよかった。主人公サラが祖母の葬儀で形見のパグを見ての開口一番は「ridiculous」。映画の最後にふとこの言葉を思い出す。何て馬鹿馬鹿しいんだと。でもって何て素晴らしいんだと。


映画はサラが犬を飼い始めるのと国語教師として働き始めるのが同時進行する。まず彼女は生あるものを無下にできない。パグの素行に手を焼きシェルターにやるよ!と言ったところで絶対そうしない。でもってEnglishという教科が好き。合わせて先生に向いている。あんなにうまくいくわけないけれど、学校映画としても悪くない。


新しいことを始めると、人との関わりにより世界がひろがってゆく。映画とは概ねそういうものだが(考えたら現実だってそうだが)、この映画の無茶にも近い、それこそパグの突進のような前進具合は爽快だ。何と言っても、嫌な人にここが嫌だときちんと言うと相手が後日それを謝って直して仲直り、というなかなかない要素がよかった。


ちなみに本作でパグがやるのと全く同じことを、同じ意味合いで、同じロンドン映画の「輝ける人生」のラストシーンでイメルダ・スタウントンがやっていた(笑)あの映画では彼女が次第にとんでもない美女に見えてきたものだが、こちらの映画ではそんなことは起こらない。別に全然楽しいし、そういう映画って好きだ。