ヨチヨチSWAN 第27回


三遊亭白鳥「落語の仮面 第8話」
 (中入り)
三遊亭白鳥「落語の仮面 第9話」
 (8/27・お江戸日本橋亭


オープニングの挨拶で、「この後あおもりが何か新作をやるようですが…」とまず弟子の話。円丈は円生の下で(古典)落語の基本を身につけたけど(と、そこまでは言わずとも)自分は教えられないからよそにやってたら古典ばかり演るようになって!との愚痴(笑)基本を学ぶのはお客に「伝える」ため、落語を知り始めて舞い上がってる気持ちも分かる、これまで無かった自分の居場所をみつけて嬉しいんだろう、なんて弟子の気持ちを推し量る。


冒頭の話題から、「第8話」はどうしてもその前に上ったあおもりさんと比べながら見てしまった。こちらは光景がありありと浮かんでくる。あれは「落語」の技術によるんだな、やっぱり。冒頭のボートの、花が桜小路くんとのデートにときめきつつも結局は好きなことしか見えなくなってしまう場面や、オーディションの、月影先生と他人のように邂逅しつつ互いに意識し合う場面など実にガラかめらしく、もしかしたら登場人物と物語の形とを同じくすると自然とそうなるのかもしれない、なんて考えた。


「第9話」を聞くのは三度目かな?初めて気付いたことに、この三題噺対決には妙なリアリティがある。花が炸裂させる「遠ければ遠いほど効果がある」新作爆弾って、SWAで実際にやっていた対決形式で「勝つ」には確かに有効だよね。でもって更なるサゲ?の時間の問題はいつもの自戒だよね(笑)出てくる女の噺家さん達が全然「似ていない」のには、別に白鳥さんが下手なわけではなくて、女の噺家さんはまだ少ない、つまりキャリアの長い人が殆どいないから、特徴も薄いんだなと思った。