新作落語お正月寄席



桃月庵ひしもち「バードストライク
三遊亭彩大「艦内の若い衆」
古今亭今輔「飽食の城」
瀧川鯉朝「あいつのいない朝」
柳家小ゑん「稲葉さんの大冒険」
 (中入)
三遊亭歌之介「お父さんのハンディ」
三遊亭円丈「イタチの留吉」
 (1/4・プーク人形劇場)


恒例のお正月寄席は、私にとっては、白鳥・円丈が揃わない(他、色々)という顔付けを見た時から、いやある時期から分かっていた通りの内容で、しかもこれまで誰も触れたことのない「顔付け」絡みの枕があったり、上がるなり「この会もいつまであるか分からない」なんて言う人もいたりで(笑)終わる頃には感傷的になってしまった。
円丈の「ぼくはどうにでもなっちゃう芸人なんですよ」というの、いつもの愚痴系ギャグじゃなく的を射ているような気もする。先駆者のゆく地平だ。上下が一切無い高座は、落語を、あるいは彼を知らなきゃ咀嚼できないであろう、妙なことになっていた(笑)


全体的には面白かった。正直、始まる前は気怠かったけど、ひしもちさんに目を覚まさせられた。とりのあたまだけ、みたいな噺だけど(笑)
昔を軽く振り返る彩大の枕の最中、客入れがストーンズだったのを思い出し、その意味だって今はもう違うもんねと思う。自分の下の世代が更に下の世代にどんな小言を言うか楽しみ、と言いながら、考えたらえっそういうことじゃなくね?と思うネタ(笑)
本編に入る時の一言、彩大が「笑わすために作ったんじゃない、言いたいことを言うため」ならば今輔は「寄席ではやり倒してるネタですが、皆さん芸協のなんて来ないですよね」。彼と、続く鯉朝の勢いにまた目が覚めた。
小ゑんは最近、昔の、というか亡き師匠の小さんの話をすることが多いような気がする。それが嫌というんじゃなく、そういう時なのかなと勝手にしみじみする。「稲葉さん」嬉しかった。