落語坐こみち堂2



開口一番(柳家緑太「桃太郎」)
柳亭こみち「植木のお化け」
柳亭こみち「お見立て」
 (中入)
春風亭一之輔「笠碁」
柳亭こみち「兵庫船」
 (7/12・国立演芸場


初回の三三に続いて一之輔という(こみちさんいわく)「スーパースター」をゲストに迎えての会、チケットは4月中に売り切れたそう。唄いまくりの一席目を終えたこみちさんが楽屋に向かって「ペットボトルを持ってきてください」と言うと、下着姿の一之輔がてくてくと…後に「あざとい男ですね(笑)」
一之輔は囲碁のイベントで「笠碁」を演ってきたと言うので、そうなんだ〜と思っていたら、始まったのは「笠碁」。ミュージシャンや役者と違って噺家の場合、同じ日に同じネタを演られると、自分が重ねて聴いていなくてもがっかりさせられるから不思議だ(この感覚は何だろう?同居人も強くそう思ったそう)
「笠碁」って、私は「笠」を被るのが「みっともない」というのがいつもぴんとこないんだけど(だって「昔話」じゃ笠かぶった人のイラスト、よく見るじゃん?)一之輔のは「みっともない」のが強調されているので分かりやすい。ただ全体の情景が思い浮かばないのと、古典落語の中でもブロマンス濃度が最も高い作品の一つなのに、その味わいがゼロ。奥さんに向かって「俺を行かせたくないんだろ?」というセリフはあったけど(笑)


こみちさんは「『スター』が演らないようなネタを…」と「植木のお化け」から。ゲストを迎えることで個性が際立っていい。ネタ出ししていた「お見立て」は喜瀬川の影が薄く、男二人のやりとりがメインという感じで聴きやすい。どちらも何度も聴いてるけど、ちょっとずつ変わってるのがやはり楽しい。
最後は「『スター』の後で大ネタを演ると皆さんが心配するので…」と「兵庫船」。こみちさんの関西弁って好きだなあ(笑)「議員」の物真似のサービスまで。いつもそうというわけではない鳴り物入りだったんだけど、今更ながら、太鼓がドンドン鳴るだけでモノが川を流れていく様子が想像できるんだから面白い。