最近観たもの


若草の萌えるころ HDニューマスター版 [DVD]

若草の萌えるころ HDニューマスター版 [DVD]

ジョアンナ・シムカスが、登場時に若草色のセーターや上着を身にまとっているのが、邦題の由来の一つかなと思う。
パリに暮らす学生の彼女が、叔母、母、叔母の看護師と女ばかりの家を出て、一夜のうちに色んな男たちと関わる。男たちの彼女への接し方が、濡れた真綿のように不愉快。唯一、男が羊を追い掛ける(=彼女以外のことに懸命になっている)場面のみ気が楽。最後、彼女の方から興味を抱いた男との時間になってほっとした。
大体シムカス、幾つかお店に行くも、一度も自分で注文しないんだから。「ナイトクラブ」では、コーラと口にすると「そんなものはだめだ」と「俺の酒」を頼まれる始末(笑)もっともこの物語の後には、自分で注文するようになるのかもしれない。
夜の街はすごく静かなのに、とある場所に入ると、どこから来たんだって感じで賑わってるのって不思議。不思議じゃないのかもしれないけど、やっぱり不思議。ああいう感じ、映画でもやっぱりいい。


五月のミル [VHS]

五月のミル [VHS]

twitterのTLでルイ・マルの誕生日だと見かけて、そういやこれ、上記「若草」と同じ時代の話(作られたのは違う頃だけど)だなと思い観返してみた。こういうのを「粋」っていうんだろうけど、どうも、主役のミシェル・ピコリがあまり好きじゃないというのも手伝ってか、(登場人物じゃなく作り手、つまりルイ・マルに対して)何余裕こいてるんだよと思ってしまう(笑)


先週「ヘザース」観た際、そういやマイケル・レーマンのこれ、逃してたなあと思い出したので。冒頭からダイアン・キートンが、首の詰まったドレスとうざい言動で、外へ追い出してドアを閉めたくなるような母親を好演、というか最近の彼女らしさを発揮してくれる。
「若草」つながりじゃないけど、「メニューを決める」場面がキーとなっている。ダイアンの娘のマンディ・ムーアが、ガブリエル・マクト(素敵すぎる!)にアイスを食べようと誘われ「あなたの好きなもの買ってきて」と言うと「君の好みは何だい」と返され、大好きなフレーバーについて熱弁を振るう。一方、後に別の男とレストランへ行った際に「お勧めは?」と聞くと「もう頼んである」。終盤、彼女は彼に「イカ以外、全部不味かったわ!」とぶちまけるのだった。こういう、あまりに意図のはっきり浮き出してる映画は「粋」じゃないけど、観ていて不愉快じゃないのは確か。