柳家小満んの会


古今亭半輔「出来心」
柳家小満ん「二十四孝」
柳家小満ん「お文様」
 (中入)
柳家小満ん「お札はがし」
 (9/13・お江戸日本橋亭


小満んの独演会は初めて。本人の手による小振りなプログラムやめくりなど、会そのものが濃厚な小満んワールドといった感じ。二時間半、座布団に体育座りしてるとこにみっちりしたネタが降り注ぐ。贅沢な物言いだけど、あまりに粋すぎて、私には少々息苦しかった。もっと普通のおじさんでいい。


「二十四孝」なんて昇太が演るとただの馬鹿話なのに(それがいいんだけど)、やりとりに滋味があること。「座ろうと思えば座れますよ、私の脚は折り畳みだから」あたり最高にウケた。
「お文様」はなあ…こういう噺は聴いてて不愉快になる。少なくとも落語の世界では、男はいい目を見られるけど女には自由がないな〜、それを現在の皆も「そうい話だから」で済ませられるんだな〜と思っちゃうから(「悋気の独楽」「権助提灯」などにはそう感じない、何が違うんだろう?演者にもよるのか)。お文はぶら下がってる絵のような扱い、もうちょい世代が下の演者なら彼女に色を付けるだろうなと思った。「粋」も聴き手(私)にとっては良し悪しだ。
「お札はがし」に40分ほど。お札を見つけたお米がお露に「新三郎さまのことはおあきらめください」と言うところで話を終え、「お米は泥棒に入って…なにせ幽霊は足が付かないから」、とその後のあらすじを喋り「三遊亭円朝作…」とサゲ。「お札はがし」って私としては全然怖い話じゃないから、恋物語メインだと聴き易くてよかった。