鈴本演芸場7月上席夜の部



林家なな子「ナースコール」
ストレート松浦(ジャグリング)
林家彦いち「長島の満月」
古今亭菊丸「幇間腹
アサダ二世(奇術)
柳亭市馬「二十四孝」
三遊亭天どん「ハーブをやっているだろ!」
 (中入)
柳家小菊(粋曲)
三遊亭歌奴「棒鱈」
林家楽一(紙切り
三遊亭白鳥「落語の仮面 第3話 トキ蕎麦危機一髪」
 (7/8・鈴本演芸場


なな子さんが、大師匠の三平について「どうもすいません、で有名『だった』」と言うのは何ともリアル。主任にちなみ「師匠に教えてもらった噺を」とファンにはお馴染みの「ナースコール」。感じもよくくすぐりも面白いけど、「田宮二郎」などのネタは白鳥さんが演るから面白いんだよなあと思ってしまった。特に新作の場合、少なくとも私にとっては、(他人の作った噺であれ)「この人の噺なんだ!」ということが一番大切だから。後の彦いちのネタなんて「オイルショックの時さ〜」だもんね(笑)


寄席は皆がトリを立てるのが楽しい(好きな人がトリの時しか来ないから、余計そう感じるんだろうか・笑)。初めて見たストレート松浦(この人も感じがいい)も「今日は特別に」とパンダのタオルを三枚遣うし、アサダ先生も、後に上がった市馬によれば「めったにやらないネタ」を見せてくれた(これはたまたまの「ネタ下ろし」かな・笑)。菊丸の円生ネタは…多分偶然(笑)可哀想というか大変だったそうなのは楽一さんで、出演が決まってから「ガラスの仮面」を読み込んで練習したんだとか。「リクエストしたら面白いけど、無茶ぶりだよなあ」と思っていたら、皆がんがん注文するので驚いた(笑)


「トキ蕎麦危機一髪」は、独演会の時よりますますタイトになっており素晴らしかった。「ガラスの仮面」だと速水英介にあたる、要するに世を牛耳ってる人間の、「俺は女の落語家が男の真似をしてるうちはいいんだ、女が女目線で落語を作るのが怖いんだ」とのセリフから始まるのがぐっとくるというか、白鳥さんらしい。「劇中劇」ならぬ「噺中噺」が面白いのも本家に負けてない。「ジーナの青いツボ」の落語版?が見られるとはね(笑)「チビちゃん」の才能に男達が夢中になる描写も楽しい。
それにしても、「落語の仮面」シリーズを聴くたび、白鳥さんにとって「落語」って「噺を作る」ことなんだなあとしみじみ思う。よくある「ネタ」だから意味は無いんだろうけど、作中の花ちゃんの大師匠が白鳥さんだというのもね、何だか面白いよね。