大好きな攻城戦がたっぷり!と期待して観たら、たっぷりすぎて飽きてしまった(笑)作中分かるように「マグナ・カルタ」は1215年の6月15日に制定されたので、タイムリーな観賞ではある。
13世紀のイングランド。国王の権限を制するマグナ・カルタが定められたが、意に反して署名させられたジョン王(ポール・ジアマッティ)は王権を奪回せんと傭兵軍を率いてロンドンへ迫る。オルバニー卿(ブライアン・コックス)はわずかばかりの仲間を集め、最後の砦のロチェスター城を守るべく戦う。
まずは「敵」が投石器と矢、梯子を上って攻めてくるのを熱した油でもって撃退。次いでやぐらを作って攻めてくるのを、即席の投石器で撃退。色々あって、最後には私が初めて見る戦法が出てくる(豚がかわいそう…)。好きな要素がてんこ盛り!なんだけど、「こればかり」だから物足りない。王の傭兵軍に「たった20人」で挑むのがキモなのに、いつの間にかメンバーが揃い、いつの間にか戦闘が始まるので、気持ちの下地が出来ない。
血飛沫のみならず、転がる腕や裂ける体などの「残虐」描写も多い。実際そうだったのかもしれないけど、あまりショックを受けない。少なくとも私にとっては、「残酷さ」に心動かされるのも、まず「お話」ありきなんだなあと思う。
ジョン王役のポール・ジアマッティは見せ場が無くて勿体ないなあと思ってたら、終盤ぶち切れる場面ではさすがの熱演。
一応の主人公?であるテンプル騎士団のマーシャル(ジェイムズ・ピュアフォイ)は、「金のために売られてきた」「夫に興味を持たれていない」城主の妻と惹かれ合う。彼ら「清純派」と、仲間の一人と召使の女性との「非・清純派」、二組の種類の異なる「ラブシーン」があり、どちらもキスで始まる(というかキスまでの描写に留まる)のが印象的。当時のキス事情はどうだったのかなあ、なんて考えた。