立川談笑 月例独演会


立川談笑粗忽の釘
立川談笑シシカバブ問答」
立川談笑「命のかね」
 (中入)
立川談笑「大工調べ」
 (11/09/28・国立演芸場


出囃子は「We will rock you」(中入後は「野球拳」)。
粗忽の釘」って、「藪から棒だな」「いいえ、壁から釘です」のやりとり(ってまず「パタリロ」が思い浮かぶんだけど・笑)に最も演者の味を感じる。談笑版は箪笥道中のくだりが楽しいけど、その重さのせいで噺がやたら長く感じられた。
次いで「江戸の空気を感じる噺を…」と「シシカバブ問答」。実はナマで聴いたの初めて。定番の安定感。
緞帳が下がり太鼓が鳴るのを止めて、もう一席と「誰も演っていない珍しい噺を見つけてきました」。念仏乞食の婆さんが、ある男に「亡くなった母親に似ている」と声を掛けられ…という、ショートストーリーのお手本みたいな内容。私の好みとしてはまとまりの過ぎる話だけど、おばあさんが主人公というのが珍しく興味深かった。


「大工調べ」の冒頭、棟梁からお金を受け取って大家の所に行く与太に「ここで着いてきてくれたら、話が縮まるんだけどね」と言わせてしまう…噺の「穴」をつい埋めてしまうのが談笑らしい(笑)棟梁が「お前を一人前と思ってるからだよ!」と理屈付けて先へ。
棟梁と大家の喧嘩の場面では、近くの席のお客さんが、本当の喧嘩を見てるような反応をするので可笑しかった。このやりとり、私は大家にも一理あると思うから、お裁きに違和感覚えてしまうんだけど、談笑が演ると、さらにどちらも正しく思えて困る(笑)もっとも大家の他の悪行を強調することで、裁きに正当性を持たせてるけど。
オチはあっとびっくり、江戸川乱歩とでも言っておこうか。全然「落語」っぽくはない(笑)


中入後間もなく携帯が鳴り「与太、また鳴ってるよ」。色んな落語家の、ケータイに邪魔された時の反応ばかり集めた映像があったら楽しいかも、とふと思った(笑)