立川談笑 月例独演会



立川談笑「代書屋」
立川談笑岸柳島
 (中入)
立川談笑居残り佐平次
 (6/21・国立演芸場


最初のトークで30分!内容は「町で見かける人々」「自分が思う『東京人』」など。後で同居人いわく「今日は『これを伝えたい!』って気持ちが強かったみたい」。加えて、客席があったまるまで時間がかかったのかな?と思った。
「代書屋」の冒頭でお馴染みの川柳、談笑の場合は「同じ顔」の理由を添えてくれるから、ちょっとした教養講座みたい(笑)お客は「小田切」「英裕」(自身の本名)。「時代設定がめちゃくちゃ」と自分で突っ込み入れてたけど、この噺って、いわゆるインテリと一般人の間に隔絶があることが前提だから、いじられると余計、元の(私なら枝雀あたりの)完成度を思ってしまう。
続いて「岸柳島」、いつもなら中入後に演るような噺。後の「居残り」とちょこっとかぶるように感じた。しょぼいご老体や何故かトラブル船に乗り合わせる講釈師など笑いを入れつつもリアルで不穏、でも馬鹿馬鹿しいオチで「落語的」に終わる。


中入後は枕無しで「悪い人の噺をします」。談笑版はナマでは初。CDで聴いてたのよりほのぼの要素が減らされ、よりタイトでワルくなってた。
冒頭は、飲み屋で数人に声を掛ける一人の男、つまり本来は「有り得ない」場面。元の噺は若い衆が佐平次をあっさり見逃す?あたりがまずファンタジーだけど、談笑版は暴力を振るおうとする若い衆を、一枚上手の佐平次がよいしょと泣き落としと「金」で懐柔する。対峙する二人の、それぞれ違うワルぶりが楽しい。終盤の「洗脳」&「講習」シーンもいかにも談笑らしい。
幕末太陽傳」よりも、このバージョンの映画、じゃなくて2時間ドラマが観たいな、誰が演ったらいいかな?と考えながら、それこそ「テオレマ」まで思い出しながら聴いてた(笑)