赤ずきん



わびさび皆無、どんくさいアクション、不思議なグルーヴ感…って、キャサリン・ハードウィック監督の前作「トワイライト」一作目と同じ印象。大好きなそちらにはかなわないけど、結構面白かった。
アマンダ・セイフライドの「赤ずきん」が、狼に脅かされる村で恋や冒険に精を出す。怪人物に楽しそうなゲイリー・オールドマン


冒頭、親より男!動物いじめ!といきなり好感の持てる主人公。その後、斧を手に木の後ろからじゃーん!と登場するアマンダ、宴の夜に色目使って踊りまくるアマンダ、この2場面で、今年の私の主演女優賞は彼女に決定(笑)
母親にヴァージニア・マドセン、祖母にジュリー・クリスティと配役が豪華。母親はお金が大好き、孫とおばあちゃんは、やたら男を蹴ったり小突いたりするのが気になった(まあその男が「悪さ」するからなんだけど)。


それにしても「トワイライト」とあまりに共通点が多く驚いた。辛気臭い主人公のナレーションや音楽の使い方、空撮などの「撮り方」はもちろん、二人の男、「魔物」が自分だけになつくなどの「設定」も全く同じ、しかも(私の好きな)ビリー・バークが「パパ」。「トワイライト」に比べて本作が随分ぼんやりしてるのは、この「型」が「ミステリー」「サスペンス」に合わないのかな?
(「トワイライト」は原作ものだけど)いずれにせよこの二作で監督は、女が「対象」だった「吸血鬼もの」「おとぎ噺」を、少女主体で楽しめるよう書き換えてくれた。「ネタバレ」になるから詳しく書けないけど、本作の「赤ずきん」は「無垢」じゃないし、「狼」は彼女を「食べ」ることに興味がない。女にとって…少なくとも私にとって、居心地いい世界ではある。


気弱な神父役にルーカス・ハース、出てると知らなかったから嬉しかった。一時期どうなることかと思ってたけど、村の男の中で一番かっこよかった(私の目には)。
惜しむらくは、恋人の職業が「木こり」なのに、その設定が活かされてないこと。木こり好きだから残念。