ハッピー・フライト


ディアプラスホールでの試写会に誘ってもらい観賞。



私は電車やバスが好きだけど、飛行機には…機体そのものにも、空港やその仕組みにも…あまり興味がない。
この映画において当の「ホノルル行き1980便」が飛び立つ場面で突然、その理由が分かった。端的に言うとレールや駅がない、パイロットの腕一つで空をゆくという自由すぎるイメージ(あくまでも「イメージ」であって、実際は緻密にコントロールされており、だからこそこういう映画が作られるわけだけど)に面白さを感じないのだろう。
裏を返せば、この映画には、飛行機自体のそうしたイメージが表れていたということになる。


上記のこととは関係なく、映画は楽しかった。ただし飛行機好きな人が観たらもっと楽しめるだろうなあと思った。
予告編ではキャビンアテンダントパイロットばかりが強調されてるけど、あの鉄の巨体に関わる様々な業務が登場する。田辺誠一の水滴まみれの顔(悪い意味でなく、この人の場合まったく汗に見えない)と綾瀬はるかの頑張り顔ばかりじゃ飽きるけど、他の大勢の仕事ぶりに心が躍る。岸部一徳田畑智子はとくにもうけ役。皆の表情に垣間見える、部署内での仲間意識や、共通の敵(笑)を見つけた際の同僚同士通じ合う心なども可笑しい。
ちなみに冒頭「搭乗時の注意」のフェイク映像が流れるんだけど、働く人々が紹介される映画の前半は、ミッキー吉野による心地いい音楽も相まって、その手の(自動車学校で観るあれのような雰囲気の)映像を観ているようなかんじがした。


始め、新米キャビンアテンダント綾瀬はるかと同僚二人が空港行きのバスの中でしている会話が、私の苦手なタイプのガールズトークだったので(女の子たちがどうこうというより「水をいっぱい飲んどいたほうがいいんだって〜!」などとという会話のセンスが苦手)、ちょっと動揺したんだけど、その後登場した、これも新米?パイロットの田辺誠一とその同僚もかなり嘘っぽいボーイズトーク?をする。それで、ああこういうノリの映画なんだ〜と納得することができた。同行者は「こんな映画、リアルだったら怖いよ!」と言っていた(笑)
しかし社会見学に来る子どもたちは結構生々しい。子どもが苦手な人なら、余計嫌いになるかも(笑)


ちなみに私は飛行機に乗ったことがない(旅行とか、なんとなく断ってしまう)。
でもって「私が」「この映画が面白かったか否かは関係なく」観賞後に飛行機に乗りたくなったかというと…逆に乗りたくなくなった。機長の時任三郎におんぶされて海を泳いで渡ったほうがまし!と思ってしまった。
考えてみたら、飛行機が離陸・着陸するだけじゃ映画にならないもんね…だから昔から、飛行機映画といえばパニックものなんだ。