ボーイ・ミーツ・ラブ


最近レンタルしたもの。


「クリス・ファーレイはトミー・ボーイ」
探してたのが棚のすみっこにみつかったので、借りてきました。「プロブレムでぶ」(どんな話かは、「ロックバンド出演映画」のコチラをどうぞ)と同じく、ダメなファーレイとデキ者のデヴィッド・スペードの「珍道中」もの。
好きな人が出ている映画は、どんな内容でも「コスプレもの」として機能するものですが、この話のデヴィッド・スペードは、とりあえずスーツにブルゾン。ださい…けどカワイイ。
社長のバカ息子のファーレイが、急死した父親の代わりに会社を立て直すため、ソリの合わないデヴィッドとともに飛び回るんだけど、アメリカのながーい道を行くうち、どんどん車がボロボロに…というありがちなギャグ(笑)パーティでファーレイがデブの父親と歌い踊る場面では、「ジョン・ベルーシになりたかった」という生前の彼の言を思ってちょっとほろっとしてしまいました。
そういやスターウォーズネタもあったっけ。くだらないんだけども。


「ボーイ・ミーツ・ラブ」

これは良かった!
(でもアマゾンにあるように「カイル・マクラクラン主演」ではない…と思う)


インド系青年アリム(ジミ・ミストリー/「踊るマハラジャ・NYへ行く」の主役)は、ロンドンでボーイフレンドのジャイルズと暮らしている。故郷を出てトロントで一旗あげた両親は、そろそろ孫の顔でも見たい年。従兄弟のカレドの結婚を機に、アリムの母ヌルも、息子をせっつくためロンドンにやってきた…



映画って、他愛ないハナシでも、すごく雰囲気がよくって、ああ観てよかった〜というのがたくさんあるけれど、この作品は、冒頭からそんな予感でいっぱいに。
物語は、カイル・マクラクラン演じるケイリー・グラントが観客に語りかける場面から始まります(ちなみに本作の原題は「Touch of pink」、つまりケイリー主演の「Touch of mink」のもじり。しょうもない邦題のせいで手に取る人が減ってしまう…)。「?」と思っていると、このケイリー・グラントは、幼いころ母親に捨てられた(と思っている)アリムが、観まくった映画をもとに作り上げた想像上の存在。ことあるごとに現れては彼に助言してくれるんだけど、このマクラクランが上手い&笑える。風呂場でアワアワになってたり、「インドの結婚式だから」と象連れてきたり。口調もそこはかとなく可笑しい。


主役のゲイカップル(上写真)もいいカンジなんだけど(二人とも首がしゃんとしてて、黒髪と金髪、顔立ちの組み合わせも妙)、まわりの身内も皆、味があって。
母親のヌルは、一見、いわゆる「勝ち組」になることしかアタマにない女性のようにみえるんだけど、話はそう単純ではない。「ルームメイト」と紹介されたジャイルズがロンドンの町に連れ出すと、ウィンドウをみて(このウィンドウが赤いディスプレイで、私は赤いウィンドウにちょっとした思い出があるので、しみじみしてしまった。余談でした)「ずっとスーツにあこがれてた」なんて言う。着てみたらすごく似合って、そのままジャイルズと踊りに出かけ、「息子に嫌がられるから」と言いつつお酒をたしなんだりする。かつて「何十年も前のだなんて知らずに」故郷の映画館でハリウッド映画を観、白人社会にあこがれた彼女は、若くしてロンドンに出てきたものの、「インド人のドリス・デイなんて馬鹿にされるだけ」と、イスラム社会にひっこんでしまったのである。なにかというとふるいモノクロ映画で心を落ち着ける息子に苛立ちをぶつけるのには、そういう背景がある。


(えっと時間ないので続きはあとで)
(追記…例によって時間があきすぎて何書くつもりだったか忘れてしまいました。DVDも返却しちゃったし…)