夢見る頃を過ぎても



2002年作、監督は「ミュリエルの結婚」のP.J.ホーガン。日本未公開ですが先日DVDが発売されました。
(というか昨年の「ピーターパン」もこの人だったのか〜。先月観たけど、なんとなく感想書かずじまいだった。フック船長役のジェイソン・アイザックスがカッコよかった)
シカゴに住む専業主婦のグレース(キャシー・ベイツ)は、マダムキラーの英国人歌手・ヴィクター(ジョナサン・プライス)に夢中。ある朝、弁護士の夫(ダン・エイクロイド)から離婚を言い渡されてショックを受けるが、なんと同じ日に、ヴィクターが何者かに殺されてしまう。
打ちのめされたグレースはヴィクターの故郷を訪れ、彼の使用人ダーク(ルパート・エヴェレット)と知り合った。実は彼はヴィクターの恋人だったが、同性愛の公表がかなわず長年日陰の身。二人は、事件にけじめをつけて生まれ変わるために行動開始する。


ジュリー・アンドリュース(ほんとに綺麗だね、この人は!)が特別出演してることからもわかるように、とても上品なお話。グレースはきれいなマンションをきれいに保ち、髪もこざっぱり、眠るときはネグリジェを着る。ジェリー・スプリンガー・ショーをみてブルブル震えちゃったあとに、チャンネル替えてヴィクターの歌に心救われ、眠りにつくのです。だけど、王子様がやってきて歌ってくれる夢は、「ロックンロール・ハイスクール」(のラモーンズ大好きっ子リフちゃん)と同じ。永遠の女心だ(笑)
もう一方の主役、ルパート・エヴェレットは…アジア風のベッドルームで亡くした恋人を思うルパ様、顔を見れば「うらなり」という言葉を思い出すけど脱ぐと意外と鍛えてるルパ様、「Close to You」を流しながら愛する人の敵を討たんとするルパ様、ズボンの内側に落とした銃を取り出そうと焦ってへんなことになっちゃうルパ様、ヤられて女みたいな悲鳴をあげるルパ様。楽しい。
そんな二人が共に立ち上がるのですが、グリースにはモーディという強い味方(小人だけどアンジェリカ・ヒューストンばりのカッコして、そのうえ自分で「ドワーフ」の赤いコートまで着ちゃう)がいるし、なんだかんだいって世の皆もいい人で、首尾よくめでたしめでたしと。


歌手にまつわるおハナシということで、皆が歌をうたいます。ジュリーの他にはバリー・マニロウも出演してノドを披露してくれます。
テーマとして使われるのは、「ミュリエルの結婚」では「ダンシング・クイーン」だったけど、今回はバリー・マニロウの「涙色の微笑み」。「ダンシング・クイーン」ほどカタルシスには貢献しないけど、「ハートフル・コメディ」にはぴったり。


そういえば、舞台がどこに移ってもやたらと白黒の格子模様が目に付いたんだけど、関わった人の趣味なんだろうか…


余談。
このストーリーでは、憧れのスター(とその死)はキッカケであって、メインではないけれど…
ぺ様騒動について「夫に相手にされなくなった女性が熱狂」と今更のようにまとめてる文章は多かったけど(といっても自分がちゃんと読んだのは文春の記事くらいか)、いつも思うんだけど、そもそもああいった奥様方は、自分の夫(や身近な男性)にその手の愛を求めているのだろうか?「女扱い」が有効に働くには、はたらきかける側にもそれなりのスペックが必要なんではないのだろうか?
(べつにオジサンを責めようというんじゃなくて、老若男女問わず、大事な人のために自分もそれなりにあろうと多くの人が思えばいいなあと思う)