インターンシップ


ヴィンス・ボーンが製作・脚本・主演を務めた2013年作。共演にオーウェン・ウィルソン、監督にショーン・レヴィ。職を失った中年セールスマンコンビがグーグルのインターンに参加、エリート大学生の中で正社員の座を目指して奮闘する。
オーウェンの相手役にローズ・バーン、この手の映画じゃお馴染みになってきたという感じ。大して面白みのある役じゃないけど、デートの場面が楽しい。ショーン・レヴィもグーグル社員役でちらっと出演…してるよね?面接を邪魔する女の子二人も、名前からして監督の娘かな?



グーグル本社のツアーもの、「異分子」チームの成長もの、ヴィンスとオーウェンのバディもの(狭いベッドでの「お前は可愛いけど…」という台詞がいい・笑)と美味しい要素が多々あり楽しかった。
でも一番面白いと思ったのは、例えばランチではぶられるなんて高校ものみたいだけど、二人は大人だから、そこが限られた世界と「分かっていながら、敢えて」身を置いて頑張る。そういう状況って他の映画じゃあまり見られない。自分を嫌う相手を好きでいるなんて「大人」じゃなきゃできない。それから忘れちゃならない、二人の「トーク」が存分に聞ける(笑)


本作は「diversity」についての映画である。まだ年若いスタッフの一人が「インターンには多様性が必要だ」と主張したことで、二人は採用される。一方「多様性のおかげでお前らでも居られる」と罵る者もいる。概念も使い様だ。
「野球選手にはなれなくてもベンチで応援することは出来る」なんて言ってた二人は実際、自分達には出来ない計算(私も勿論さっぱり分からない!)をするチームメイトを後ろでわーわー応援する。努力できる範囲内で勉強はするんだけども。


二人はインターン初日のオリエンテーションで「上司とビールを飲む」「社内の人間とデートをする」「食べ物を持ち帰る」などの問いに自分達だけyes(緑)の札を挙げ、上司(アーシフ・マンドヴィ)に「正さ」れる。彼らが価値観を全否定される様に、「21ジャンプストリート」でチャニング・テイタムが高校に「戻る」場面を思い出した。あちらのそれは差別問題だから、こちらとは違うけれども。
しかし「ジャンプストリート」シリーズの後だと本作のようなコメディは古いなと感じてしまう。「大卒の25パーセントが無職」ということもありぎすぎすしている「若者」に対して「大人」が教えられることが、料理に酒、「ダンスクラブ」、異性へのアプローチだなんて。勿論これらは「実体験」の「象徴」だけど、違う描写の仕方はないものかと思う。


ただし、その「大人」が(ヴィンスはともかく)オーウェンというのが味噌で、例えば「ナイトミュージアム」の「スーツを着ると心が死ぬ」というような台詞を吐いて「ギャグ」に落ちず留まれるのってオーウェンくらいでしょ(笑)それが、自分の子ども、って程じゃないけど「若者」に対しても効くところを見られるのは楽しかった。