テネイシャスD 運命のピックを探せ!



試写会にて観賞。
ポスターから「テネイシャスD主演のロック映画」とだけ認識していたんだけど、実際観てみたら、ロック映画というより「ベン・スティラー(の仲間)映画」だった(彼がプロデューサーだと知らなかった)。男二人の「相棒」加減、ティム・ロビンス扮する悪者の顛末、JBの動き、「これはほんもののロッカー専用の無線だ!」などのこまかいセリフまで全てにその息吹が感じられる。JBのスピード感とはあまり合わないようにも感じた。


とはいえ楽しんで観たし、主役であるJBの「華」について、あらためてしみじみ感じ入った。冴え無いカイル・ガスと並んでるから余計。
旅の途中にキノコでハイになったJBが着ぐるみから顔だけのぞかせるシーンがあるんだけど(ここもまた強烈なベン・テイスト)、観賞後のトイレでは女性二人が「主役の人、あそこだけイケメンだったよね〜」と語り合っていた。たしかにアップにも十分耐える顔だ。楽器屋でベン扮する店長の話を聴いてるときの眉毛演技も、分かりやすくて可愛い。
ちなみに彼の子ども時代を演じているのは、「ナチョ・リブレ」でも幼少時のJBだった男の子。調べてみたら、春に本国公開されたオーウェンの「Drillbit Taylor」にも出てる(オーウェンボディガードに雇う小学生の役)。


同行した人は「こういう映画観ると、久々にギターが弾きたくなる!」と言っていたけど、私はどんなロック映画を観てもそんな気持ちにはならない。私にとってロックとは、観て聴いて快感を得るものだ。
本作では、テネイシャスDの二人がタロットカードの絵柄をもじって話を進める。なんだか違和感を感じて、よく分からないけど、ロックにも色々あって、とりあえず「運命」だの魔術だのいうのは女向けじゃないなと思った。
さらにはJBのように、あんなにはげしくアコギをかきならしながらおならのことを歌いたいという感覚はよく分からない。どういう気持ちなんだろう?