ザ・菊之丞


柳家まめ緑「たらちね」(開口一番)
古今亭菊之丞「景清」
 (中入)
橘家文左衛門「笠碁」
古今亭菊之丞「らくだ」
 (10/13・ムーブ町屋ホール)


開口一番の後に上った菊之丞は「後でらくだのような人が出てきます・笑」とゲストに触れてから、この会の前に声優養成所?で講師を務めてきた話、高座中に「地震・雷・火事・親父」全てに遭遇したことがあるという話、目の不自由な人の「杖の付き方」について教わった話。先天的な人は杖より首が前に出る、後天的な人はその逆、とのこと。
それから「縞の着物」で「景清」。私はこの噺、面白いと思ったことが無いんだけど、菊之丞によるお調子者ぶりやラスト(「見える」と気付く場面)の細やかさは良かった。


中入後の文左衛門は、枕無しというか枕のような空気のまま本編へ。彼のは初めて聴いたけど十八番なんだろう、とても面白かった。嫌味ぎりぎりなほどセンスがいい、という感じ。「ちょっと行ってみよっかな!」のところなど、表情がたまらないので、もう少し近くで見たかった(笑)
最後の「らくだ」については、そう聴かない菊之丞の「兄貴」キャラや、後半の立場が逆転するくだりが楽しい。三杯目で「もうちょっと入りますよ〜」と酒をねだるあたりから少しずつ変わっていく。はんぺんを掴んだ手を着物で拭いたり、おしっこをして「いい酒飲むとしょんべんも違うな!」と言ったり、というよそではあまり見ない場面も効いていた。