あなたへ



・富山出身の両親が「夏は健さんでシメる」と言うのに倣って、私も観に行った。全国を転々としてるという役柄で富山弁喋らない上、ロードムービーと知らなかったので10分そこそこで富山を出てしまうのに拍子抜けしたけど、上映時間中99パーセントは健さんが映ってる健さん映画なので満足。話も面白い。
・オープニングの、刑務所の中→塀を越えて外、というカメラからずっと、富山といえば立山!とにかく立山。旅立つのは川沿いの41号線。路面電車も見られた。
健さんと田中裕子が流木でじゃれる回想シーンは、調べたら氷見の海岸で撮ったんだそう。それとは違うんだけど、子どもの頃、魚津の埋没林博物館に行って、ものすごく興奮して、帰ってしばらく、洗面器に枝を入れて応接間に飾ってたのを思い出した。また行ってみたいな。
・仕事中の健さんは座らない、という都市伝説があるけど、本作の冒頭、健さんはうちに帰るまで座らない(座ってもよさそうな場面もあるのに)。ブルース・ウィリスなんかもあまり座らないもんな、全然違うタイプだけど、「男」ってそういうもんかと思った。
・田中裕子、ビートたけし佐藤浩市(らの演じてる役)が「直筆」で書いたものが、健さんに渡る。映画の中の「直筆」って私は大好き。違うんだろうけど、その役者さんが役になりきって書いたんだと思いながら観るし、その文字から役について想像する。本作ではどれも悪くない感じ。
佐藤浩市ってすごく好きなわけじゃないけど、物産展の場面で、もともと小さないかめしの箱が、彼の手にかかるともっと小さく見えて、ちょっとどきっとした。演技もよかった。他には綾瀬はるかの「固さ」と母親役の余貴美子の「柔らかさ」のあからさまな対比の面白さ、後者は素晴らしかった。