スーパー!



オープニングのアニメーションでは、「悪役」のケヴィン・ベーコンも「仲間」として踊ってるから、どういう映画なんだろう?と思ってたら、ああいう内容だから、混乱してしまった。映画が終わると死んだ人も一緒に歌い踊るエンドクレジットみたいなものか、と思うことにした。


冒頭から何かっていうと笑わせられ、なんてよく出来たコメディだろうと感心するも、途中ふと、私がこれを笑う理由はなぜだろう?と考えてしまい、そうこうするうち、あれっこれは…と黙り込む。


フランク(レイン・ウィルソン)は人生で一番輝いてた時を絵にして飾っている(ラストもアレだし)。私なら、自分が登場する絵を見ながら暮らすなんて気が重い。また妻のサラ(リヴ・タイラー)が去ると、鏡に映る自分に「泣くのはみっともない」と思う。たまたま映った風じゃない、自分を外から見るのがクセなんだと思った。それはキリスト教的な感覚かもしれない。


印象に残ったのは、ダイナーでフランクとサラが彼女の母親?に結婚の話をする回想シーン。母親が「フランクに不満があるわけじゃないけど、せめてもう一年待って」と反対するのを、フランクはポテトを食べるのをやめないまま聞いている。サラが何か言うと、母は「あなたはどこかで聞いた言葉をつなげてるだけ」と言う。娘は「私が正しかったらどうするの!」と反抗する。リヴ・タイラーの、確かに「借り物」っぽい、馬鹿っぽい喋り方に、この場面で初めて気付いた。だからどうってんじゃない、フランクにとって彼女は「意味」のある存在だった。


映画館のくだりでは「シリアル・ママ」を思い出し(そういうシーンがあったわけじゃないけど)、久々に観たくなった。